ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

次期物流大綱提言案、輸送力不足に「集中改革」

2026年2月26日 (木)

行政・団体政府は26日、「2030年度に向けた総合物流施策大綱に関する検討会」の第9回会合を開き、次期「総合物流施策大綱」に向けた提言案を公表した。物流を「単なるコスト」ではなく価値を生むサービスとして捉え直し、担い手不足下でも機能を維持しつつ、産業としての魅力と公共性を高める方向性を掲げている。

提言案は、人口減少と担い手不足の本格化、気候変動やカーボンニュートラルへの対応、国際情勢の不確実性、災害やインフラ老朽化などを前提に、30年度までを物流革新の「集中改革期間」と位置付けた。これまでの取り組みにより、24年度に見込まれていた14%の輸送力不足は「おおむね克服し、24年度を越えても物流の機能を維持」できると整理する一方、今後さらに担い手不足が深刻化するなかで、施策の具体化と深度化が必要だとした。

政策の観点は5本柱とした。第1は、供給制約に対応する徹底した物流効率化だ。自動運転トラックや自動物流道路などの自動化・省人化、基幹物流拠点の整備、3大都市圏の環状道路整備、鉄道・RORO船・航空の空きスペース活用などを含む「新モーダルシフト」を挙げ、農水産品・食品の流通合理化(中継共同物流拠点、予冷・防振を踏まえたモーダルシフト、パレット化)も明記した。ラストマイルでは、受取拠点の整備や「ゆっくり便」など宅配のあり方変革、ドローン配送や自動配送ロボットの活用を示した。

第2は、商慣行の見直しと行動変容、産業構造の転換だ。改正物流法を通じた荷主・物流事業者・消費者の連携強化、価格転嫁の円滑化と取引適正化、トラック適正化2法を通じた業界構造転換(適正原価を下回らない運賃収受、違法な白トラ規制強化、多重取引構造の是正、協業化やM&Aによる基盤強化)を掲げた。

第3は、人材の地位・能力向上と労働環境の改善だ。トラック、倉庫、鉄道、船舶、港湾、航空まで含めた人材の確保・育成、休憩環境の改善、安全確保、特定技能外国人の定着促進などを位置付けた。

第4は、標準化とDX(デジタルトランスフォーメーション)・GX(グリーントランスフォーメーション)の推進だ。フィジカルインターネットを見据えた標準仕様パレットの導入、コード体系やデータ連携、庫内自動化、サプライチェーン全体の脱炭素化、再生可能エネルギーの地産地消、SAF導入、ゼロエミッション船などを盛り込んだ。

第5は、国際情勢や災害への対応だ。港湾・航空ロジスティクスの強化、国際コンテナ戦略港湾、通関の適正運営、サイバーセキュリティーや経済安全保障、災害時のネットワーク維持や緊急物資輸送体制の強化を挙げた。

KPI例では、自動運転トラックの導入台数、トラック積載効率、荷待ち・荷役時間、平均労働時間、多様な受取方法の利用率、ドローン配送の社会実装件数、物流業の労働生産性、ドライバーの年間所得、デジタル式運行記録計の装着率、11型パレット比率や一貫パレチゼーション関連指標、脱炭素化物流施設数、港湾脱炭素化推進計画の作成港湾数、サイバーポート接続可能法人、港湾BCP訓練の実施割合、物流事業者のBCP策定率などを例示した。

次期大綱は、供給制約下での「効率化」と、取引、人材、標準化を同時に進める設計となっており、KPIを通じて実行状況をどこまで可視化し、実装につなげられるかが焦点となる。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com

LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。

ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。