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本誌主催「CLOフォーラム2026 in 名古屋」レポート

説明責任と共通言語が鍵、CLO時代の物流経営論

2026年1月27日 (火)

イベントLOGISTICS TODAYは26日、愛知県トラック総合会館にて、物流業界の未来を展望する大型イベントを開催した。イベントは2部構成で行われ、第1部には「運びと地位向上全国キャラバン2026」、第2部には「CLOフォーラム2026」を冠した。本稿では、改正物流法の施行を控え、荷主企業に課される新たな義務と、物流統括管理者(CLO)が果たすべき役割を深掘りした第2部の模様をレポートする。

>>第1部レポート「社会的地位向上へ、現場から描く変革のシナリオ」

CLO義務化時代における荷主の「説明責任」

▲TMI総合法律事務所・名古屋オフィスの粟井勇貴弁護士

第2部の冒頭、モデレーターを務めたLOGISTICS TODAYの赤澤裕介編集長と、ワンロジ(東京都新宿区)の吉岡泰一郎社長が登壇した。2026年4月から施行される改正物流法により、特定荷主に対して「物流統括管理者」の選任が義務化される。赤澤編集長は、この改正が単なる役職の設置にとどまらず、役員クラスが物流に対して実質的な責任を負い、その取り組みを外部へ説明する「説明責任」が問われる時代の到来であると指摘した。

荷主が直面する「法的リスク」と「実務の解」

メインセッションでは、TMI総合法律事務所名古屋オフィス(名古屋市中区)の弁護士であり、国土交通省デジタルアドバイザーも務める粟井勇貴氏が登壇。「改正物流法・トラック新法に対し、これからの荷主はどう動くべきか」をテーマに解説を行った。

▲ワンロジ代表取締役社長の吉岡泰一郎氏

粟井氏は、改正法のポイントとして「荷待ち・荷役時間の削減」や「積載率の向上」といった努力義務が、特定荷主に対しては中長期計画の作成や報告義務を伴う法的拘束力を帯びる点を詳説した。また、CLOに求められるのは、単なる法令順守だけでなく、サプライチェーン全体の最適化を経営判断として下すことであると説いた。特に、これまで「現場任せ」になりがちだった物流課題を、経営課題として再定義する必要性を強調した。

荷主と運送会社の「心の距離」をどう縮めるか

セッションの後半では、会場にいた食品卸・販売を展開する荷主企業の関係者が急遽ディスカッションに参加。この関係者は、法改正を前にした荷主側の苦悩として「社内の多部署との調整の難しさ」や「運送会社との対等なパートナーシップ構築の必要性」を吐露。これに対し、会場の運送業者からは「荷主側にどれだけこちらの実情が届いているのか不透明な部分が多い」といった率直な意見も飛び出した。

▲LOGISTICS TODAYの赤澤裕介編集長

赤澤編集長は、こうした温度差を埋めるために「物流のDX(デジタルトランスフォーメーション)化やデータの可視化を通じて、共通の言語で語ることが不可欠」と提言。法改正を「荷主が運送会社の価値を再発見し、共に持続可能な形を作る好機」と捉えるべきだという考えを共有した。

共創が拓くこれからの物流

パネルディスカッション終了後、会場からは「CLO選任後の具体的なKPI設定はどうあるべきか」といった質問や、「法改正を機に、運送会社側も選ばれる努力が必要だと感じた」といった前向きな感想が寄せられた。

赤澤編集長は「改正法は荷主を縛るためのものではなく、物流をより健全な産業へと進化させるためのチャンス」と総括。吉岡氏は、運送会社と荷主が対等なパートナーとして対話し、共に持続可能な物流網を構築することの重要性を改めて訴えた。

>>第1部レポート「社会的地位向上へ、現場から描く変革のシナリオ」

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