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本誌主催「運びと地位向上全国キャラバン2026 in 名古屋」レポート

社会的地位向上へ、現場から描く変革のシナリオ

2026年1月27日 (火)

イベントLOGISTICS TODAYは26日、愛知県トラック総合会館にて、物流業界の未来を展望する大型イベントを開催した。イベントは2部構成で行われ、第1部には「運びと地位向上全国キャラバン2026」、第2部には「CLOフォーラム2026」を冠し、荷主・運送会社・法務の各視点から物流の変革を議論した。本稿では、第1部の基調講演とパネルディスカッションの模様を詳報する。

>>第2部「CLOフォーラム」のレポート記事「荷主の責任とCLOの役割問うフォーラム名古屋で開催」

物流業界の「社会的地位」をどう高めるか

第1部の冒頭、モデレーターを務めたLOGISTICS TODAYの赤澤裕介編集長と、ワンロジ(東京都新宿区)の吉岡泰一郎社長が登壇。赤澤編集長は、物流2法の改正やCLO(物流統括管理者)の選任義務化を「過去50年で最大の変革のチャンス」と位置づけ、単なる賃金上昇にとどまらない「他業界から選ばれる魅力的な産業」への転換が必要であると強調した。そのための具体策として、ドライバーの運転実績を個人に帰属させる「年金手帳」あるいはマイレージのような仕組みの構想を語り、イベントの幕を開けた。

ダイセー倉庫運輸が実践する「朝、起きたらすぐ行きたくなる会社」

続いて、中部地方の物流をけん引するダイセー倉庫運輸(愛知県小牧市)の田中毅社長が登壇し、「朝、起きたらすぐ行きたくなる物流会社に!」と題した講演を行った。

▲ダイセー倉庫運輸社長の田中毅氏

田中社長は、自社の主力事業であるプラスチック原料の保管・配送におけるジャスト便のモデルを紹介しつつ、その強みの源泉は「人」にあると断言した。特に、M&Aによって異なる文化を持つ組織を統合してきた経験から、単なる数字の管理ではなく「企業文化の醸成」こそが重要であると説いた。「サンシャイン・マネジメント(褒める文化)」を掲げ、全従業員が主役となれる環境づくりに注力する姿勢は、多くの参加者の関心を集めた。

外国人材活用と「ウェルカムな環境」の作り方

第1部の後半では、セイリョウライン(大府市)の幣旗貴行社長を加え、外国人ドライバーの活用をテーマにしたディスカッションが行われた。

セイリョウラインでは、ブラジル人コミュニティーとの強いネットワークを生かし、5人のブラジル人ドライバーが活躍している。

▲セイリョウライン社長の幣旗貴行氏

幣旗社長は、ポルトガル語による安全教育教材の自社開発や、運行管理者による手書きの返信(多言語対応)など、細やかなコミュニケーション施策を紹介した。

▲LOGISTICS TODAYの赤澤裕介編集長

ダイセー倉庫運輸の田中社長は、技能実習生を含む20人以上の外国人材を受け入れている現状に触れ、受け入れ側である日本人社員の心の準備と理解を深めることが、トラブルを防ぐ最大のポイントであると指摘した。

物流施設の立地が変える「雇用の優位性」

ディスカッションの合間には、プロロジスによるスポンサーセッションが行われた。名古屋駅から15分という好立地に開発中の「プロロジスパーク東海」の事例を挙げ、公共交通機関での通勤のしやすさが、これからの物流拠点選びにおける「雇用の優位性」を左右することを提示した。

共創による物流の価値再定義

▲ワンロジ社長の吉岡泰一郎氏

第1部を締めくくるにあたり、赤澤編集長は「現場の工夫と、それを支えるテクノロジー、そして経営者の情熱。これらが組み合わさることで、物流はもっと強く、魅力的なものになる」と総括した。会場内では、参加者から「M&Aにおける文化統合の決断基準」など、実務に踏み込んだ質問が相次ぎ、中部エリアの物流関係者の意識の高さがうかがえるセッションとなった。

>>第2部「CLOフォーラム」のレポート記事「荷主の責任とCLOの役割問うフォーラム名古屋で開催」

運びとキャラバンとは?

「運びと地位向上全国キャラバン2025(運びとキャラバン25)」は、LOGISTICS TODAYが4月8日から大阪で開始した、トラック輸送業界およびドライバー支援を目的とした全国規模の取り組み。

【背景】
・2024年問題と残業規制強化
運送業界は、過重労働規制の強化や燃油費の高騰、管理コスト増加などにより、中小事業者の経営が厳しい状況。
・業界再編の影響
国内約6万3000社の運送業者が、将来的に約4万社まで減る可能性があり、ドライバーが他の業種に流れる問題も深刻化している。

【目的】
本キャラバンは、悪質事業者の淘汰や業界再編が進むなか、実際に運送に携わっているドライバーの待遇改善や地位向上を目指す。全国各地で開催される勉強会や交流会を通じ、業界全体の底上げと未来への活力創出に貢献する取り組み。

<開催実績>
第1回:大阪開催(2025年4月8日開催/オフライン)
第2回:東京開催(2025年4月22日開催/オフライン)
第3回:岡山開催(2025年5月28日開催)
現地レポートアーカイブ動画
第4回:福岡開催(2025年8月5日開催)
現地レポート
第5回:金沢開催(2025年8月21日開催)
現地レポート
第6回:東京開催(2025年10月9日開催)
現地レポート

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LOGISTICS TODAY編集部
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