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富士経済調べ、低価格化と精製方法が課題

バイオ燃料市場、2013年に11.8兆円規模へ拡大

2014年2月4日 (火)

調査・データ富士経済(東京都中央区)は3日、世界の航空宇宙ビジネス市場の調査結果を発表した。バイオ燃料市場は、ジェット燃料の代替品として2030年に11兆8808億円(12年度比16.1倍)へと拡大、人工衛星市場も新興国を中心に地球観測衛星の需要が高まるとして、1兆7890億円(15.7%増)になると予測した。

富士経済が昨年8月から11月にかけて調査した結果を報告書「航空宇宙関連市場の現状と将来展望2014」にまとめたもので、報告書では、日本企業の参入が期待される航空分野23品目、宇宙分野11品目の市場を分析し、今後を予測した。

バイオ燃料は、サトウキビなどの食物や油分を含む種子、藻類、廃木材など生物資源を原料としている。航空機の運航増加によって燃料需要の拡大が想定されるが、ジェット燃料のみでは需要に対応できないため、代替燃料の開発、実用化に向けた取り組みが進められている。

富士経済では「バイオ燃料は使用量も増加するとみられる。ただ、バイオ燃料が100%使用される可能性は低く、当面はジェット燃料と低率のバイオ燃料の混合燃料が採用され、徐々にバイオ燃料の比率が上昇する形が想定される」と説明。バイオ燃料の普及には低価格化や、原料の一部を食物から生成しているため、食物と競合しないバイオ燃料の開発と精製方法の確立が課題となっている。

また、航空宇宙分野で今後有望な構成部品の市場動向とともに材料置換の可能性や情報通信技術との関連性も整理した。

人工衛星を中心とした宇宙機器、宇宙ロケット本体製造、ロケット打ち上げに必要な地上施設、人工衛星に関連するサービスを含めた宇宙関連市場は、13年に前年比10%増の20兆4281億円が見込まれる。

新興国などの経済発展を背景に、航行衛星(ナビゲーション衛星)や衛星放送などの衛星サービスの需要増加が期待され、人工衛星本体、人工衛星を構成するコンポーネント、ロケット本体、地上設備などの需要も連動して拡大し、30年の市場は43兆9653億円に拡大すると予測した。

■「航空宇宙関連市場の現状と将来展望2014」
体裁:A4判271頁
価格:書籍版12万円+税、PDF版12万円+税、書籍版・PDF版セット13万円+税
調査・編集:富士経済名古屋マーケティング本部