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岐阜県知事、資材供給の目詰まり解消へ緊急要望

2026年5月22日 (金)

行政・団体岐阜県の江崎禎英知事は21日、経済産業省や総務省などを訪問し、中東情勢に伴う石油由来製品の目詰まり解消とバイオコークスの普及推進を訴えた。国が具体的な施策の詰めを行う重要な時期に、実務の最高責任者として各庁の長官へ直接現場の窮状を伝え、迅速な支援を引き出す狙いだ。

同知事は、資源エネルギー庁の村瀬佳史長官や中小企業庁の山下隆一長官と面会し、深刻な資材不足を訴えた。国はマクロ視点で物資の充足を説明する。しかし岐阜県内の現場では、アセトンやシンナーなど塗装に必要な溶剤の供給が途絶し、工場の稼働停止危機に直面する。

▲(左から)資源エネルギー庁の村瀬佳史長官、岐阜県の江崎禎英知事

県内産業は繊維や家具などさまざまな地場産業から成り、中小事業者が99.9%を占める。中小零細企業にとって十分な資材在庫の確保は難しい。将来への不安から生じる少しずつの過剰在庫や大手による買い占めが、末端の供給不足を招く要因だ。

そこで江崎知事は業界団体を通じて在庫を融通し合う仕組みを提案し、国による買い上げ支援を強く要求した。両長官はこの提案に賛同し、特別チームを編成して流通の目詰まり解消に動く姿勢を見せる。取材に対し同知事は「少しずつのため込みが末端に行き渡らない状況を招く中、国民生活安定緊急措置法の出番だ」と強調した。

▲江崎知事と中小企業庁の山下隆一長官

さらに「南海トラフ地震などの災害時にも全く同じ問題が起きる」と述べ、平時からの業界団体を通じた調整機能の重要性を主張した。

未利用バイオマスを活用するバイオコークスの普及も大きな議題だ。同燃料は産業炉で石炭コークスを代替でき、燃焼時の二酸化炭素排出量を実質ゼロに抑える特長を持つ。

同知事はこれを自立国産エネルギーとして国家戦略に位置付けるよう要求する。全国的な製造拠点整備に向けた財政支援や、J-クレジット制度の対象拡大を迫る。さらに山林に放置状態にある間伐材を原材料として活用するため、林野庁へ所有者不明山林問題の解決を直接働きかける方針も明かした。

こうした直接交渉に臨む背景には、自身の官僚経験が生きている。「押すべきボタンがわかっている」と述べ、伝言ゲームを避けるため、国が施策を決定する今この瞬間にピンポイントで担当者へ直接訴えたと言葉に力を込める。

国が主導して省庁の垣根を越えた対策を講じる展開へ、確かな手応えをつかむ結果となった。(菊地靖)

▲取材に応じる江崎知事

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