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夏の現場を首元から救う、ほんやら堂の新冷感戦力

2026年5月22日 (金)

話題初夏なんてもんじゃない。もはや真夏だ。日本各地では5月から30度超えも当たり前になった。屋外は言うに及ばず、天井の高い倉庫や工場では熱が居座り、こもる。改正労働安全衛生法の施行で、熱中症対策は「努力目標」から、経営が数字と段取りで答えを出す課題へと格上げされた。

その潮目をいち早く読んだのが、雑貨メーカー・ほんやら堂(群馬県高崎市)だ。2026年春に投入した冷感ネックスリーブ「CHILL-Ace(チルエース)」は、物流・製造の現場で静かに評判を呼んでいる。

袋を開けるだけ、4時間持続の冷涼感

冷蔵庫も要らず、水にも浸さない。袋を開け、首まわりに巻き付けた瞬間から心地良い冷感が首筋に走る。チルエースの肝は冷感ジェル(水・グリセリン・ポリアクリル酸ナトリウム・メントールなど)を抱えた3層構造にある。肌側は接触冷感の素材、外側はさらりとした使用感の不織布で構成されている。冷気を逃がさず、室温30度で表面温度マイナス5度を約4時間維持することを実験で確かめた。

「2月の展示会で、開封から2時間たったものを来場者の首に掛けてもらった。”まだ冷たい”と目を丸くする人が多かった。それだけ持ちがいいということです」と同社社長の玉崎史之氏は話す。

安全設計と薄さが生む、現場への適合性

斜めに切ったスリットへ端を通すだけで首元にすっと収まる(出所:ほんやら堂)

装着も”ひと手間”を削った。斜めに切ったスリットへ端を通すだけで、首元にすっと収まる。「最初は水平のスリットでしたが、引っ張っても外れにくく、首を締めかねなかった。斜めにしたら、後ろから力がかかった瞬間に自然と抜ける。安全のための改良です」(玉崎氏)。機械や什器が近い倉庫・工場でも、余計な緊張を背負わずに済むつくりになっている。

厚みは紙一枚分と思えるほどで、制服やポロシャツの下に忍ばせても体のシルエットに違和感がない。「現場は制服が基本。その下に着けても、妙な”ふくらみ”を作らないのが要です」と玉崎氏。警備員や観光施設スタッフなど、ユニフォームのまま使えるのは導入の背中を押す。サイズはM・Lの2種で首回りに合わせて選べる。

潜在的な不満をひとつひとつ解消

首元に巻くのは理にかなっている。頸動脈を冷やすことで血液温度が下がり、体幹まで涼しく感じやすいからだ。「首回りが冷たいだけで体全体が楽になる。熱中症の際も、効率よく首元を冷やすことが大事と言われています」(玉崎氏)

目立たず、濡らさず、制服・作業着の下に装着可能(出所:ほんやら堂)

冷却グッズの”あるある”に、玉崎氏は小さく首を振る。冷凍庫で事前に冷やす手間や、制服を濡らしてしまう心配を取り除きたい。「往復用に2枚持つ人もいる。もっと手軽に、快適に暑さ対策できるものを。チルエースはその思いで作りました。」(玉崎氏)

現場を知る経営者が見出した、倉庫向きの一手

玉崎氏が「これは倉庫向き」と踏んだのは、机上の企画ではなく、現場の熱気を知っているからだ。前職でEC・物流の事業企画を担い、倉庫や工場を歩いてきた。「熱中症対策の売り場は炎天下向けばかり。でも暑いのは室内だって同じ。天井が高い倉庫はエアコンが効ききらない。だから首元で、確実に冷やしてほしいと思いました」(玉崎氏)

効果的に熱中症対策が可能になる(クリックして拡大、出所:ほんやら堂)

もともとチルエースはギフト雑貨としての展開を想定していた。玉崎氏の現場感覚が、物流・法人向けという新たなチャンネルを切り開いた。「物流業界に商品を売るというのは、弊社の歴史の中でこれまでなかったことです。ただ、倉庫や工場、デリバリーの方、トラックドライバーさんなど、需要は無限にあると思っています」と玉崎氏は笑顔を見せる。

防災備蓄から法人導入まで。幅広い活用シーン

常温保存で製造から2年間保管でき、企業の防災備蓄や緊急時の熱中症対応キットとしても有効だ。個包装の使い切りで、衛生面の心配は薄い。避難リュックに忍ばせても場所を取らず、いざという時に助かる。

価格は1枚220円(税込)、3枚入605円(税込)、6枚入1089円(税込)。ライフスタイル・バラエティショップ、通販で購入できる。物流・倉庫業、イベント会社、自治体、警備会社などから引き合いが増えており、法人向けはロット見積もりに応じる。

従業員を守る備えを、経営の意思として示す時

熱中症対策が「現場の根性論」では済まされなくなった今、責任の矢は経営に向く。改正労働安全衛生法のもと、重症者が一人でも出れば法的な問いは避けられない。

ほんやら堂社長の玉崎史之氏

だからこそ、チルエースのような暑さ対策を配布し、個人の我慢に寄りかからない”仕組み”として暑さ対策を整えるべきだ。福利厚生の添え物ではない、経営判断そのものの投資だ。1枚220円。この軽さで作業現場が快適になるなら、合理性は十分だ。長い夏が当たり前になった時代、守る意思を見える形にする番が来ている。

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