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ガイドライン厳格化で荷主に懸念広がる

機械輸出組合、非KS貨物の検査体制拡充など要望

2014年2月24日 (月)

ロジスティクス日本機械輸出組合は21日、電子情報技術産業協会、日本貿易会との連名で非KS貨物を対象とした検査体制の拡充などを求める航空貨物保安体制関連の要望書を20日、国土交通省航空局安全部長に提出したと発表した。

航空貨物の保安強化に向け、2012年10月15日以降、新特定荷主・特定フォワーダー制度(新KS/RA制度)が段階的に導入されており、同年12月1日から米国路線の旅客便搭載貨物を対象に施行されているが、ことし4月1日以降はすべての国際旅客便に完全施行される。

新KS/RA制度以降、荷主企業は、新KSの認定を受けるか、非KS企業として航空会社やRAの爆発物検査を受けて出荷するかの判断が求められているが、航空貨物を取り扱う従業員への保安管理など国が示すガイドライン内容が厳格化されたため、KSを選択する荷主企業が大幅に減少。

旧KS/RA制度ではKSが延べ数万社と言われていたが、新制度では現在、数百社にまで減少していると言われている。

一方で、非KSを選択すると、検査にかかるコストアップ、リードタイムの延伸、空港などで開披検査を受けた場合の梱包不良発生のリスク、といった懸念が想定されている。

12年12月以降、米国向け路線では、空港での貨物の滞留など大きな問題は報告されていないが、国内からの輸出の6割を占める機械・電子関係製品の輸出は航空輸送に大きく依存しており、大半は貨物専用便ではなく旅客便による輸送に依存していることから、4月移以降、新KS/RA制度が完全施行された後、航空貨物輸送による輸出への影響に荷主の強い関心が集まっている。

そこで、要望書では新KS認定の有無にかかわらず、適切なセキュリティ設備、体制の充実化を求めるとともに、グローバル化した日本企業の国際競争力が損なわれないよう、官民で協力してセキュリティ確保と貿易円滑化を両立できる体制・制度を望む荷主団体の声をまとめた。

具体的には、喫緊の課題(最優先事項)として(1)4月以降の航空貨物物流の見通しと、遅延・滞貨が発生した場合の国としての対応シナリオの提示(2)非KS貨物も円滑な物流が確保されるよう、空港施設などでの検査体制の拡充——を要望。さらに、今後、関係者による協議の場を設置して検討すべき課題として、(1)RA企業によるKS企業認定から、国または国が指定した第3者機関によるKS認定制度の検討(2)輻輳するサプライチェーン・セキュリティ・認定事業者プログラムの調和化の国際的な枠組みでの提案——を求めた。