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賃料見通しは上昇が過半数占める、一五不動産情報サービス調べ

物流不動産価格、上昇見通しが5年ぶりに減少

2014年3月3日 (月)

調査・データ一五不動産情報サービス(東京都墨田区)が3日発表した物流施設の不動産市況に関するアンケート調査結果によると、不動産価格の半年後の見通しとして、上昇との回答が68.5%、横ばい29.3%、下落2.2%となった。上昇の構成比は2009年1月を底に9四半期連続で増えていたが、5年ぶりに減少に転じた。同社は「市場関係者の一部に高値警戒感が出始めたことが上昇の減少につながった」と分析している。

また、賃料水準の半年後の見通しは、上昇が54.3%を占め、横ばいは44.6%、下落は1.1%となった。同調査開始以来、初めて上昇の構成比が過半数を占め、その理由として土地価格や建設費など開発コストの上昇を挙げる回答者が多くみられた。

賃貸物流施設の新規稼働が相次いでいるにもかかわらず、供給過剰に陥らず均衡した需給環境が続いているが、その需要増の要因については「ネット通販による需要増が続いているため」が57回答で最多となり、次いで「圏央道などの道路インフラの整備によって、物流適地が変化しているため」が54回答、「BCP(事業継続計画)の観点から、高機能な物流施設が支持されているため」が46回答となった。

複数回答可の設問だったが、上位3つの選択肢をすべて選んだ回答者は20回答に上ったことから、同社は「賃貸物流施設に対する需要増は、ある特定要因で発生しているのではなく、ネット通販など成長セクターによる需要増に加え、圏央道などの物流インフラの整備やBCPを踏まえた高機能物流施設へのシフトなど複合的な要因によって、旺盛な需要が生み出された」との見方を示した。

このほか、「所有から賃貸へのシフトが続いているため」は19回答と比較的少なく、「日本経済が成長しているため」も10回答で、昨年より好転した日本経済の動向と物流需要の拡大を結びつける意見があまりみられなかった。

「その他」の自由回答欄には、3PL市場の拡大や物流戦略の変化などの意見がみられた一方、「需要は増えていない」が12回答で、全回答者(92)の13%を占め、需要増自体に否定的という意見も確認された。

■物流施設の不動産価格の見通し(半年後、出所:一五不動産情報サービス)
物流不動産価格、上昇見通しが5年ぶりに減少

■詳細は下記URLを参照。

http://www.ichigo-re.co.jp/img/221/20140303_report_questionnaire.pdf