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1万パレットを自動搬送、東扇島に冷凍倉庫

2026年8月6日 (木)

拠点・施設霞ヶ関キャピタルは6日、川崎市川崎区で冷凍自動倉庫「LOGI FLAG TECH東扇島I」の開所式とメディア向け内覧会を開いた。マイナス25度の保管エリアを立体自動倉庫とし、荷物の受け入れから格納、出庫までを自動化。冷凍倉庫の不足や人手不足、低温環境下での作業負担といった課題に対応するとともに、1パレット単位から利用できる小口・短期保管サービスを提供する。

「LOGI FLAG TECH東扇島I」

同施設は首都高速湾岸線・東扇島インターチェンジ(IC)から2キロに位置する。鉄骨造地上3階建てで、敷地面積は5000平方メートル、延床面積は1万9953平方メートル。最大1万パレットを収容する冷凍自動倉庫で、霞ヶ関キャピタルグループのX NETWORK(クロスネットワーク)が運営を担う。

内覧会では、霞ヶ関キャピタル副社長COO兼インフライノベーション事業本部本部長で、X NETWORK代表取締役を兼ねる杉本亮氏が、同社の事業概要について解説。冷凍食品需要が拡大する一方、冷凍倉庫の供給不足と物流現場の人手不足が深刻化している現状を説明。加えて、環境規制に対応した自然冷媒設備への転換も必要となることから、自動化・省人化と環境対応を組み合わせた冷凍倉庫の整備を進め、さらに慢性的な労働力不足と労働環境改善の改善に向けた冷凍自動倉庫の開発を推進してきたと語った。

インフライノベーション事業本部オペレーションユニットオペレーション企画運営部部長兼X NETWORK取締役の宮越孝氏は同施設の概要を紹介。1階を冷蔵荷さばき・入出庫作業エリア、2階以上をマイナス25度の冷凍自動倉庫として構成した庫内を案内した。

通常の多層階倉庫では、入庫後に各階へ荷物を搬送し、作業員が棚入れする必要がある。東扇島Iでは、パレットを1階の搬送ラインに置くと、搬送機が上階へ送り、自動倉庫内の指定位置まで格納する。出庫時も対象貨物が自動で1階まで搬送されるため、2階以上の冷凍保管エリアには原則として作業員を配置しない。

1階冷蔵荷さばきスペースでの自動ラック倉庫への入庫の様子

入庫と出庫の処理能力は、それぞれ1時間当たり150パレット。低温環境下での棚入れや搬送作業を機械に置き換え、作業者の身体的負担を軽減するとともに、省人化と高密度保管につなげる。

1階には12台分のトラックバースを設け、入庫と出庫のラインを分離した。出庫側には、トラックが着車するまで貨物を待機させる150パレット分の一時保管スペースも確保。事前に出庫準備を進め、車両の到着に合わせて積み込めるようにした。

温度管理システムや自動倉庫、防犯カメラ、作業状況などは事務所内で一元的に管理する。運営人員は事務所スタッフを含めて10人前後を想定。同社によると、同規模の従来型施設と比較して、自動化によりおおむね半分程度の人員で運用できる想定だという。

1万パレットを収納する自動ラック倉庫。マイナス25度の保管エリアにおける作業を自動化

冷凍物流の課題解決は拠点開発からさらなる領域へ拡大

東扇島Iは、X NETWORKが展開する冷凍保管サービス「COLD X NETWORK」の拠点として運営する。

既存の冷凍倉庫は稼働率が高く、新たな貨物を受け入れる余地が限られている。空きがあっても一定規模の区画を長期間借りる契約が中心で、季節商品や一時的な在庫増加などには対応しにくかった。

COLD X NETWORKでは、倉庫の空き状況確認から入出荷予約、在庫管理までをウェブ上で完結させる。1パレット、1ケース単位の小口保管に対応し、繁忙期の一時的な在庫増や、既存倉庫の改修・移転時の代替保管などにも利用できる。

倉庫管理システム(WMS)と自動倉庫制御システム(WCS)を連携し、入庫、出荷、在庫状況をリアルタイムで管理する。電話やファクスを中心とした従来の依頼方法をデジタル化し、保管需要の季節変動や突発的な荷量増加にも柔軟に対応する。

東扇島は国内有数の冷凍・冷蔵倉庫集積地である一方、既存施設の老朽化やフロン規制対応、働き手の確保が課題となっている。新施設の供給によって冷凍保管能力を増やすだけでなく、自動化による労働環境改善と、小口利用による保管スペースの有効活用を図る。

環境面では、冷却設備にノンフロンの自然冷媒を採用し、屋上には太陽光発電パネルを設置して、施設全体で使用する電力の15%を賄う見込みであり、建築環境総合性能評価システム「CASBEE」の建築評価認証ではAランクを取得するなど環境性能も付加価値とする。

さらに内覧会では、インフライノベーション事業本部オペレーションユニット営業部副部長で、X NETWORK副部長を兼ねる藤原道長氏が、新たな事業構想についても説明した。

一つは、倉庫内の設備やシステム、各種物流ソリューションを共通基盤でつなぐ「物流OS」。個別連携の手間やコストを抑え、利用者が必要な機能を選択できる仕組みを目指す。蓄積データの可視化や人工知能(AI)分析にも活用し、年内に実証実験を始める方針だ。

もう一つは、冷凍貨物を1パレット単位で受け付ける幹線輸送サービス。ウェブ上で空き状況を確認・予約し、QRコードで貨物情報を一元管理する。まず仙台(LOGI FLAG DRY&COLD仙台泉I)―関東(LOGI FLAG TECH所沢I)間で展開し、将来は東海方面や内航船との接続も視野に入れる。 冷凍倉庫を単に保管場所として提供するだけでなく、自動化設備、デジタル管理、小口保管、幹線輸送を組み合わせた物流基盤へ発展させる考えであり、東扇島Iもその起点の1つとして、冷凍物流における課題対応に貢献していく姿勢である。(大津鉄也)

▲(左から)宮越氏、藤原氏、杉本氏

「LOGI FLAG TECH 東扇島Ⅰ」施設概要

所在地:神奈川県川崎市川崎区東扇島29-4
交通:首都高速湾岸線「東扇島IC」2.0km
敷地面積:5000平方メートル
延床面積:1万9953平方メートル
パレット数:1万枚
建物構造:鉄骨造地上3階建
開発事業者:三菱商事都市開発
スペック:
 ・冷凍自動ラック倉庫(マイナス25度)対応
 ・冷蔵荷捌スペース(プラス5度)
 ・ノンフロン(自然冷媒)採用
 ・太陽光発電パネル設置
評価認証:CASBEE建築評価認証 Aランク

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