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日本郵船など、自動車運搬船にハイブリッド給電システム

2011年5月18日 (水)

話題アウリガ・リーダーの太陽光発電パネル日本郵船、川崎重工業、MTI、日本海事協会の4者は17日、太陽光エネルギーを動力源の一部とする日本郵船運航の自動車運搬船「アウリガ・リーダー」(6万213トン)に、共同で開発中の船舶用ハイブリッド給電システムを三菱重工業船舶・海洋事業本部横浜工場で搭載し、6月に実証実験を開始すると発表した。同時にバラスト水処理装置の搭載や低硫黄燃料の対応工事を行い、環境対応をさらに強化する。

 

アウリガ・リーダーは2008年12月19日に竣工後、約2年間にわたり太陽光パネルの発電状況や耐久性を検証してきた。その結果、太陽光パネルによる発電は、わずかな天候の変化でもすぐにその発電量に大きな影響を与えるため船内への安定的な電力供給が難しく、将来、太陽光発電を大型化し、その依存度を上げた場合には、発電量の変動により安定的な電力供給に問題がある、ということが分かった。

 

実験装置搭載用の40フィートコンテナ日本郵船とMTIは、二酸化炭素(CO2)排出の削減に向け、太陽光など変動がある新エネルギーを導入した場合の船内への電力の安定供給に関する技術の確立、川崎重工は同社製大型ニッケル水素電池「ギガセル」を利用した舶用ハイブリッド給電システムの開発を目指し、日本海事協会は「業界要望による共同研究」スキームによる支援の一環として、2009年度からハイブリッド給電システムの研究を行ってきた。

 

アウリガ・リーダーは今後、過酷な海上環境の中で、太陽光発電とハイブリッド給電システムにより安定した電力供給を実現するための実証実験を行い、効果を検証していく。また、検証結果を基に日本郵船とMTIは、船舶での太陽光発電の大規模化開発を、川崎重工は舶用ハイブリッド給電システムの商品化を目指す。

 

■「アウリガ・リーダー」の概要
全長:199.99メートル
全幅:32.26メートル
型深:34.52メートル
最大積載自動車台数:6200台
載貨重量トン数:1万8758トン
総トン数:6万213トン