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ICS、米国産LNG輸出の保護貿易化に懸念表明

2015年7月3日 (金)

ロジスティクス日本船主協会によると、国際海運会議所(ICS)はこのほど、米国で自由貿易を促進する大統領貿易促進権限(TPA)法が成立した機会を捉え、米国産のLNG輸出を米国籍船に限定しようとする動きに対し、懸念を表明する声明を発表した。

声明でICSは、シェールガスなど米国からのエネルギー輸出の拡大が見込まれるなか、同国で自国籍船によるLNG輸出促進の動きに「WTO海運自由化交渉、二国間貿易協定の前提でもある自由貿易の精神に反するものであり、欧州委員会や日本・ノルウェーなどの関係各国政府も懸念を示している」と強い懸念を表明。

米国のこうした保護貿易主義的な動きが今後、「ロシア、イラン、サウジアラビアなどのエネルギー輸出国の悪しき前例になるおそれがある」「現在、米国籍LNG船は存在していないが、外国籍LNG船に米国人船員の配乗が義務付けられるなど、ほかのアプローチが取られる可能性もある」などと指摘。

米国籍LNG船が存在していなくとも、米国籍タンカーは存在していることから、「来たるべき米国産原油輸出解禁の場合に、LNG輸送同様の保護貿易の動きが出る」と懸念を示した。