大王製紙、主要品種の出荷拠点を集約

拠点・施設大王製紙は28日、子会社のいわき大王製紙（福島県いわき市）に段ボール原紙を生産する抄紙機を設置する、と発表した。

設置する抄紙機は、同社可児工場のN3抄紙機を改造・移設する計画で、2014年10月から営業運転を開始する。

大王製紙の段ボール原紙生産拠点は、いわき大王製紙、大王製紙三島工場（愛媛県四国中央市）、大成製紙（岡山県津山市）、ハリマペーパーテック（兵庫県加古川市）――の4拠点で、いわき大王製紙では段ボール原紙の主要品種であるKライナー・ジュートライナー・白ライナー・中芯原紙を生産している。

国内の段ボール原紙工場は、工場ごとに生産品種が分散しているために品種によって出荷工場が異なるケースが多い。

いわき大王製紙に抄紙機を設置することで、主要品種を1工場から安定供給できる国内唯一の工場として、小ロット・短納期化が進む中で全品種の積み合わせ配送が可能となる。

中芯原紙をはじめとした段ボール原紙の供給増を果たし、東西の安定供給体制を強化する。

また、可児工場のN3抄紙機を中芯・ライナー抄紙機に転抄し、この抄紙機の生産品種を三島工場に集約することによって、洋紙品種の生産を月7000に調整し、需給ギャップが発生している国内洋紙市場の安定に寄与する考え。設備投資額は83億円。