行政・団体エアロセンス(東京都北区)は、ザンビア・コンゴ民主共和国で固定翼VTOLドローンを用いる鉱山遠隔監視サービス実証事業が、経済産業省の「令和7年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)」に採択されたと発表した。両国にまたがるカッパーベルト地域で、日本の重要鉱物である銅・コバルトなどのサプライチェーン強靱化と、遠隔監視ソリューションのサービス事業化を検証する。
カッパーベルト地域は、銅・コバルトをはじめとする世界有数の重要鉱物産地だ。一方、広大な鉱山エリアでは違法小規模採掘や不法侵入、輸送時の治安リスクなどが課題となっている。テーリングダムの決壊や化学物質漏えいによる水質汚染などの環境リスクもあり、広域かつ継続的に状況を把握する手段の確立が重要となっている。
事業では、両国の関係機関へのヒアリングを通じ、監視ニーズや環境・インフラ点検に必要なデータ、現地の通信環境、法制度上の制約などを整理する。その上で、ザンビア国内の鉱山エリアなどで固定翼VTOLドローンによる飛行実証を行う。

▲今回の事業イメージ(出所:エアロセンス)
高解像度カメラや赤外線カメラで、違法採掘や不法侵入の早期把握に資する映像データを取得する。LTE網などを経由し、鉱山から離れた首都ルサカの政府関係機関などへリアルタイム映像配信を実施する予定だ。測量用センサーやLiDAR、マルチスペクトルカメラなどによる地形・環境データの取得を通じ、将来的な環境モニタリングや資源探査への応用可能性も検証する。
取得したデータは現地政府機関や鉱山会社、関連民間企業などに提示し、ニーズや受容価格帯を確認する。これにより、遠隔監視・データ提供サービスとしての事業化可能性を検証する。
また、将来的な広域・連続運用を見据え、「移動式コンテナ型ドローン自動発着ポート」の要件定義を行う。高温や砂塵、脆弱な通信環境、固定設備の盗難・破壊などの治安リスクを踏まえ、任意の場所へ移動しながらドローンを運用するための機器仕様や運用要件を整理する。将来的には、長距離物流網やインフラの監視などへの展開も視野に入れる。
10月以降、現地関係機関との調整や実証エリアの選定を進め、11月を目途にザンビア国内で実証飛行を行う予定だ。12月にはAfDB主催の「Africa Transport Forum 2026」で成果を発表し、現地政府機関や民間企業などとのネットワーク構築と事業化に向けた活動を進める予定だ。
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