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AIインフラ需要が貿易けん引、グローバル化最高

2026年10月9日 (金)

調査・データDHL(ドイツ)とニューヨーク大学スターン・スクール・オブ・ビジネスは7日、世界の貿易や資本、情報、人の国際的な流れを分析した「DHL Globalization Tracker 2026」を公表した。AI関連インフラへの投資拡大が世界貿易を押し上げ、関税引き上げや地政学リスクの影響を上回る成長要因になっていると分析した。25年の世界のグローバル化度は25.8%となり、過去最高を更新した。

報告書によると、26年上半期の世界の商品貿易は、新型コロナウイルス禍からの反動増を除けば、過去15年間で最も速いペースで拡大した。背景には、半導体やデータ伝送機器など、AIインフラ構築に必要な製品への需要増がある。

WTO(世界貿易機関)とOECD(経済協力開発機構)の分析では、AI関連製品は25年の商品貿易増加分の42%を占め、26年1-3月期には76%まで上昇した。AIデータセンターや通信基盤の整備が国境をまたぐ半導体、ネットワーク機器などの物流需要を押し上げている。

地域別では、東アジア・太平洋地域の貿易額が26年1-5月に前年同期比24%増となり、世界で最も高い伸びを示した。欧州が12%増、サブサハラ・アフリカが11%増で続いた。東アジア・太平洋地域では域内貿易の比率も25年の57%から26年1-5月には60%へ上昇し、AI関連需要を支えるアジア域内のサプライチェーンが存在感を高めた。

一方、米中間の貿易関係は縮小が続いている。世界貿易に占める米中間貿易の比率は15年の3.5%をピークに低下し、26年1-5月には1.6%となった。両国間の国際事業投資も世界全体の1%未満にとどまる。ただ、米国の同盟国と中国との経済関係は大きく縮小しておらず、報告書は米中対立が世界経済を2つの陣営に明確に分断しているとの見方には慎重な立場を示した。

また、米国が他国から輸入する製品には中国製の原材料や部品が含まれるケースが増えており、間接的な輸入まで考慮すると、米国の中国依存度は24年までにわずかしか低下していないという。

関税政策の影響については、米国の関税水準が数十年ぶりの高さとなったものの、世界全体への影響は限定的だったと分析した。米国が世界の輸入に占める割合は近年13%程度で、26年8月時点では米国輸入品のおよそ半分が関税引き上げの対象外だったことに加え、多くの国が大規模な報復関税を避け、新たな貿易協定などを通じて代替市場の確保を進めたことが背景にある。

今後の世界の商品貿易は29年まで年平均3.4%で拡大すると予測する。過去10年間の平均成長率2.7%を上回る見通しで、関税引き上げや地政学上の混乱が続くなかでも、AI関連を中心とした新たな国際分業とサプライチェーン構築が貿易を下支えするとみている。

グローバル化度は、貿易、資本、情報、人の4分野の国際的な流れを0%から100%の尺度で指数化する。25年は4分野すべてで国際化が進み、全体で25.8%と過去最高になった。分野別では情報の国際化が最も進み、資本、貿易が続いた一方、人の移動は相対的に低い水準にとどまった。

調査は25以上の公的機関、民間企業、学術機関のデータを基に、3000万件超のデータポイントを分析したもの。従来の「DHL Global Connectedness Tracker」から名称を変更したが、調査範囲や分析手法は引き継いでいる。

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