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商船三井ロジ「バンコク中心街で軍車両まったくない」

タイ政変で物流への影響見られず、外相談話「民主政治の回復を」

2014年5月23日 (金)

国際外務省は22日、タイでプラユット陸軍司令官を中心とする「国家平和秩序維持委員会」が国家の全権を掌握する事態が発生したことは遺憾だ、とする岸田文雄外相の談話を発表した。

タイでは、22日午後5時(日本時間午後7時)にプラユット陸軍司令官ら国軍の司令官がテレビ会見を行い、国軍司令部、陸海空軍、警察が午後4時30分(タイ時間)に全統治権を掌握したと発表。タイ国民に対して「これまで通りの生活を送り、公務員は通常通り勤務してほしい」とのメッセージを送った。

20日に陸軍司令官からタイ全土に戒厳令が出された後、21、22日の両日、与野党、上院、市民グループなどの各派が招集され、対話が行われていた。

岸田外相は談話で「我が国は民主的な政治体制が速やかに回復されることを強く求める。これまでのところ在留邦人に被害などが出たとの情報はないが、引き続き在留邦人に対して情報提供・注意喚起を発出するなど邦人の安全には最大限の注意を払っていく」ことを表明した。

■商船三井ロジスティクス「バンコク中心街で軍車両まったく見られない」
一方、懸念されていた物流への影響は、これまでのところほとんどない模様だ。商船三井ロジスティクスは23日、クーデターから一夜明けた同日午前8時(タイ時間)時点の現地状況について、同社タイ法人の本社があるシーロム地区(バンコクの中心街)では「20日の戒厳令発令以降、バンコク中心部の政府関連施設などに配置されていた、機関銃を搭載した陸軍車両はまったく見られなくなった」と発表した。

一部の企業が休業しているため、車両渋滞も緩和されており、同社スタッフは平常通り勤務しているという。また、空港地区では税関手続きを含めて滞りなく業務が行われており、港湾も「特に問題は発生していない」。

同社タイ法人本社は当面、毎日早朝の状況を確認し、バックアップオフィスでの業務に切り替えるかどうかを判断するとしている。

■SITCジャパン「港湾・工業団地は夜間外出禁止令除外、24時間体制を継続」
SITCジャパンは23日午後1時時点の現地駐在員からの情報として、タイ国軍から出された午後10時から午前5時までの外出禁止令について、「工業団地・港湾などの運営は除外となっており、港湾オペレーションは通常通り24時間体制で運営されている」と伝えた。

SITCコンテナラインズ・タイランドでは、バンコク、バンコク港、レムチャバン港の3オフィスすべてで通常通りの営業を行っている。現時点では生活面で大きな影響がみられないものの、「今後、各地で軍による検問が増えることから、さらなる交通渋滞になる」とみて、「コンテナのピックアップ、搬出入について、余裕を考慮してほしい」としている。