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今治港、15年で貨物量2.5倍増目指す

2014年6月20日 (金)

国内愛媛県今治市はこのほど、今治港ビジョン・デザイン検討委員会から、今治港の再興と総合的港湾空間の形成に向けた提言を受けたと発表した。

今治港の取扱貨物量は2002年の1024万7000トンから徐々に減少、11年には120万5000トンまで落ち込み、周辺港の利用に比べて大幅に劣っているが、コンテナ貨物の取扱量は2万1920TEUで、松山港、三島川之江港に次ぐ取扱量となっている。

取扱量をコンテナヤード(CY)面積で割り、コンテナヤードの稼働率としてみた場合、今治港の利用水準は愛媛県内諸港と同等程度であり、実入コンテナの多さが特徴となっている。

提言では、今治港の取扱貨物量が減少していることについて、(1)コンテナ荷役の利便性向上(2)原材料の品質確保(3)生産拠点の強化ならびに研究・開発拠点の充実(4)地盤産業への支援・寄与(5)ローカルポートとしての持続的発展——が課題だと指摘。

「365日動き続ける港」を目指し、「多様な人材が集積する持続可能な港づくり」「地域産業を支援する四国一のサービス港づくり」「大規模地震に対応した安全・安心で信頼性が高い港づくり」を港づくりの基本方針として設定した。

物流面の施策としては、同港4地区を「コンテナ貨物を中心に取り扱うゾーン」とそうでない地区に分け、今後15年程度でコンテナ貨物を44万トン、非コンテナ貨物を82万トン、フェリー貨物を170万トンそれぞれ増やし、09年と同等の300万トンレベルに引上げることを目標とする。

具体的には、港湾物流機能の拡充に向けて富田地区コンテナふ頭のレイアウトを見直し、コンテナ荷役作業の効率性・安全性の向上を検討するとともに、ふ頭を拡張して国際物流ターミナルとしての能力の向上を目指す。さらに、長期的視点に立って、ユニットロード貨物の取り扱いを目指す。

富田地区コンテナふ頭の背後や内陸部の沿道で倉庫(CFS)を整備し、今治港をストックポイントにするとともに、耐震性倉庫を整えて地位の確立を目指す。危険物蔵置スペースを確保し、危険物貨物が柔軟に取り扱える環境の整備を検討。蔵敷地区に全天候型のバース、上屋を整備し、在来貨物の品質確保による顧客満足度の向上を目指す。

今治地区では、中距離フェリーの寄港を再開し「誰もが海上輸送のメリットを享受できる物流体系の構築」を目指す。陸上輸送や国際フィーダー船により、神戸港や北九州港でトランシップして目的地に向かうコンテナ貨物のフェリー輸送への転換を図り、輸送にかかる総コストの低減やリードタイムの短縮を図る。