ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

日立物流、バンテック買収へTOB

2011年3月10日 (木)

ロジスティクス日立物流は9日、バンテックを買収するため、株式公開買い付け(TOB)により同社株式の過半数を取得し、子会社化すると発表した。バンテック経営陣は9日にTOBへの賛同を表明している。TOB実行の下限はバンテックの発行済株式数の50.14%とし、買い付け価格は1株23万3500円、買付上限は設定していない。

日立物流によると、バンテックの大株主でみずほキャピタルパートナーズが運営するMBOファンドの「FBF2000LP」と「MHCIILP」が「(バンテックが)物流業界のリーディングカンパニーとしてさらなる成長を実現するには、外部資本とノウハウなどの活用を視野に入れた、もう一段上の果敢な企業統合の施策が不可欠」と判断し、昨年9月頃から日立物流を含む複数社と協議を行ったという。

日立物流は「2012年度に連結売上高5000億円連結営業利益250億円」を目指し、3PL強化とグローバル事業の加速に注力しており、バンテックを買収することで、(1)自動車部品物流におけるプラットフォーム化による国内深耕・拡大(2)非自動車分野での協業による営業力強化(3)両社のグローバルネットワーク共有による効率的運用と中国・アジア・欧米の基盤強化(4)中東欧・南米など未進出エリアへの展開のための両社プロジェクトの設置――といった面でメリットが大きいと判断した。

日立物流の連結売上高(今3月期見通し)、連結営業利益(同)はそれぞれ3700億円、162億円、バンテックは1330億円、60億円となっており、単純に合算すれば連結売上高5030億円、連結営業利益222億円となる。

バンテックは、日産自動車の物流子会社として設立された旧バンテックと東急電鉄などが出資して設立した旧東急エアカーゴが経営統合し、自動車部品物流を中心としたロジスティクス事業、航空・海上フォワーディング事業を柱とした総合物流会社。