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日発販売、元営業所長が架空取引「内部統制に重大な欠陥」

2010年6月23日 (水)

調査・データ日発販売(ニッパン)は23日、「内部統制に重大な欠陥があった」として、内部統制報告書を公表した。2月に同社の元営業所長が架空取引を行い、結果として実体のない商品在庫と買掛金のマイナス残高合わせて3億8700万円を発生させたもの。

 

社内調査の結果、元所長は2006年4月から、販売価格を数倍上回る「異常な逆ざや取引」で仕入れを行った。これを隠すため、販売価格を上回らない価格で仕入れを計上し、仕入れ先に支払うべき金額との差額について架空の品番を設定して仕入計上を行い、さらにこの処理で発生した架空在庫を圧縮するため、ほかの仕入れ先講座で架空の仕入返品を計上。結果として実体のない商品在庫と買掛金のマイナス残高を発生させた。

 

同社は原因分析として、(1)承認者自らの取引における牽制機能の欠陥(2)管理監督体制の欠陥(3)人事管理面の問題(4)コンプライアンスの不徹底――を原因と認定し、改善策をまとめた。

 

改善策は(1)統制環境の改善(2)管理監督機能の強化(3)人事政策の改善(4)コンプライアンスの徹底と内部通報制度の活用促進――の4項目で、このうち統制環境の改善と管理監督機能の強化の具体策は次の通り。

 

(1)統制環境の改善
・品番単価管理の本社購買部への移管
・購入先への発注承認に関する金額基準の設定
・金型購入決裁に関する金額基準の設定

 

(2)管理監督機能の強化
・部支店長の確認・承認機能の強化
・証憑類の確認の徹底
・棚卸実施要領の変更
・在庫流動状況確認の実施
・重要な確認結果の経営会議への報告