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ウェザーニューズ調べ

北極海航路利用の動きが活発化、昨年より1か月早く開通

2014年7月24日 (木)

国際北極海航路利用の動きが活発化、昨年より1か月早く開通01ウェザーニューズ(千葉市美浜区)のグローバルアイスセンターは23日、2014年の北極海の海氷傾向を発表した。北極海の海氷は現在まで、過去数年と同じペースで減少しており、今夏の最小海氷域面積は昨夏以上に縮小すると予想した。

北極海航路利用の動きが活発化、昨年より1か月早く開通02北極海航路はロシア側の北東航路、カナダ側の北西航路ともに8月中に開通し、昨年よりも1か月早い開通となる見込み。北極海航路の商業航海や資源開発の動きは年々活発化しており、海氷に関する詳細な情報へのニーズが高まっている。

北極海の海氷は、例年通り5月下旬から氷の融解が始まり、これまで過去数年と同程度のペースで減少を続けている。現在の北極海の海氷面積は750万平方キロで、海域別に見るとロシア側のラプテフ海では海氷の融解が進み、その大半がすでに開水面となっているが、東シベリア海やカラ海西部で広範囲に海氷が残っている。また、カナダ側のバロー沖やカナダ多島海でも海氷が残っている。

今後、北極海の本格的な夏季に向けて海氷の融解が加速し、一年のうちに最も海氷が融ける9月頃の海氷域面積は昨夏以上に縮小する見通しだが、観測史上最小となった12年を下回る可能性は低そうだとした。

北極海航路は、ロシア側の北東航路は8月中旬、カナダ側の北西航路は8月下旬にも開通する見込みで、昨年よりも1か月程度早い航路開通となりそう。再び海氷が結氷し始める10月上旬までの1か月半の間、海氷域に入ることなく北極海の航海が可能となる見込み。

また、ロシアのNSRA(北極海航路局)によると、ロシア側の北東航路の通行許可を得た船舶は7月22日時点で400隻を超えており、船舶の北極海航路利用の動きが活発化。30隻の船舶が北極海を航行しているという。