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ホッコク、物流改革で行き詰まり、子会社を譲渡

2011年4月1日 (金)

荷主ホッコクは3月31日、子会社の東洋商事、ニッカ食品の全株式を田中文悟商店へ譲渡すると発表した。

 

同社は、東洋商事、ニッカ食品と仕入を一元化することで消費量の増加を図り、スケールメリットを生かした仕入原価の低減と製造効率を向上させることで、グループとしての食材の共有化とコスト低減の実現、同社の全国7営業所と東洋商事の全国9営業所の営業・物流拠点の統廃合、各拠点での営業・物流の再構築を行うことで、グループ機能の強化と業務効率化を目指していた。

 

しかし、今期まで行っていた海外事業から撤退することになり、子会社への食材の供給が難しくなったほか、物流改革で想定した程の成果が上がらず、今後の改善策について見込み以上の内部統制対応などのシステム改修費用が必要となるため、「低迷する景気の中でこれ以上の投資を行うことは難しい」と判断した。

 

田中文悟商店は、酒類製造卸販売を全国で手掛け、流通を利用した業務用食材の卸販売に注力していることから、相乗効果が見込まれる外食産業で競争力を強化することが東洋商事、ニッカ食品の企業価値向上につながると判断し、田中文悟商店へ株式を譲渡することにしたもの。

 

ホッコクでは、食材の生産から食の提供までの一連のフェーズを担うことを一つの事業ドメインとしてきたが、景気低迷の中で財務状況が悪化したため、全社的な収益の確保のための投資ができない状況におかれている。