調査・データ名古屋港管理組合は25日、港湾における燃料電池産業車両(FCフォークリフト)普及促進を目的に実施した実証事業について、使用機器や水素配送方法、現場ヒアリング結果などの詳細を公表した。港湾物流分野でのFCフォークリフト実装に向け、運用面の具体的な論点が整理された。
実証は2025年10月20日から24日までの5日間、鈴木商館(東京都板橋区)を受注者として実施。日本通運、フジトランスコーポレーション、名港海運の3社が協力し、各社にFCフォークリフト1台ずつ、計3台を貸与した。
使用車両は豊田自動織機製の定格荷重2.5トンタイプで、水素満充てん時の稼働時間は8時間と、従来機と同等の作業時間を確保できた。水素供給には、簡易水素充填機を搭載したトラックを用いた配送方式を採用。高圧ガス保安法上の届出対象外となる300立方メートル未満の蓄圧機を用い、1回の配送で最大4台分の充てんが可能とした。
水素配送は月曜・水曜・金曜の隔日で実施し、各事業者の稼働時間に合わせて調整。充てん作業に要した時間は、準備から撤収まで含めて20分、純粋な充てん時間は最大でも3-5分程度にとどまった。名古屋港管理組合は、最大8時間程度を要するバッテリー式フォークリフトの充電時間と比較し、24時間稼働の現場ではFCフォークリフトに優位性があると整理している。
一方、協力事業者へのヒアリングでは、騒音の少なさや操作性、パワー面についてはおおむね評価されたものの、法令上、水素充てん場所を屋外に限定する必要があり、建屋や敷地境界との距離要件を満たせない事業所では運用が難しい点が課題として挙げられた。また、現場では4.5トン級以上のフォークリフトを使用する場面も多く、より大型のFCフォークリフトの開発・供給を求める声も出た。
コスト面では、導入・運用費が依然として従来機より高く、水素供給インフラの整備状況やコスト低減が社会実装の前提条件になると指摘された。名古屋港管理組合は、今回公表した実証結果を踏まえ、FCフォークリフト普及に向けた事前検討事項や導入条件の整理を進めていくとしている。
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