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TSR調べ、負債84億円、りんくう国際物流が法的整理へ

2011年4月18日 (月)

話題東京商工リサーチ(TSR)が18日に発表した倒産速報によると、関西国際空港の対岸地区で「りんくう国際物流センター」を運営するりんくう国際物流(大阪府泉佐野市)が、近日中に民事再生法の適用申請を含めた法的整理を検討中であることが判明した。

 

2010年3月期末時点で、資本金50億8800万円に対し、累積損失は22億2000万円に上る。大阪府は貸付金26億5000万円を回収できなくなる見通し。負債総額は約84億円。

 

同社は関西国際空港の対岸に位置する「りんくう国際物流センター」内に事務所を構え、物流業者に貨物の仕分けスペースを提供し賃料収入を確保するほか、附随する駐車場管理を手掛けていた。しかし、同業他社との競合が激化し賃料収入が低迷していたという。

 

この間、34.3%を出資している筆頭株主で大阪府の第3セクターである大阪府都市開発(OTK)が、府の要請に基づいて01年から同社保有の施設を一括借り上げし、賃貸収入を安定させるとする経営改善計画を策定。

 

これに伴い、金融債務を長期弁済とするなど再建支援協定を取引金融機関と締結し経営再建に努め、10年3月期では年商約5億9000万円、最終黒字を計上していた。

 

しかし、11年3月末で協定期限が切れ、同社に対し22.1%を出資している大阪府も経営改善が認められないのであれば存続を認め難いとの見解から、今回の措置となった。