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中小企業で改正下請法の対応遅れ目立つ、TSR調査

2025年12月19日 (金)

調査・データ東京商工リサーチ(TSR、東京都千代田区)は19日、下請法を改正して来年1月から施行される「中小受託取引適正化法」(取適法)について、「影響を精査していない」、「(法改正を)知らなかった」企業が計57.1%に達したとするレポートを公表した。特に、対応遅れは中小企業に目立ち、施行後に混乱が生じる可能性があるとしている。

同社は今月1日から8日までインターネットを通じて、取適法に関する企業アンケートを実施。6339社から回答を得た。

(クリックで拡大、出所:東京商工リサーチ)

業務委託など下請け事業との取引の適正化を定めた取適法では、従来の下請法に従業員基準の導入による対象拡大や、価格協議のプロセスを証明する「交渉記録の保存」などが追加され、規制が強化される。

調査結果によると、「法改正を知っていたか」との問いに対し、「影響を精査済み」は42.8%と4割にとどまり、「知っていたが、影響は精査していない」は36.8%、「知らなかった」も20.3%で、対応の遅れが目立った。

規模別では、「影響を精査済み」は大企業で68.2%、中小企業は40.6%と、大きな差が出た。また、「影響は精査していない」は大企業でも23.8%を占め、中小企業では21.4%が「知らなかった」と回答した。

産業別では、「影響を精査済み」と回答した企業の構成比が最も高かったのは、製造業の53.5%で、運輸業の49.7%、卸売業の48.6%が続いた。

一方で、「知らなかった」が最も高かったのは、農・林・漁・鉱業の35.1%で、不動産業の34.2%、サービス業他の31.8%、小売業の31.6%と、消費者に近い産業で認識が低い傾向がみられた。

法改正による営業利益への影響を尋ねたところ、「利益に影響はしないだろう」が80.7%を占めた。「利益が少し増えそうだ」は10.1%、「利益が大いに増えそうだ」が0.5%で、「利益増」と答えた企業は10.7%だった。一方「利益が少し減りそうだ」は7.5%、「利益が大いに減りそうだ」が0.9%で、「利益減」は8.5%だった。

(クリックで拡大、出所:東京商工リサーチ)

今回の法改正は「政府による民間企業への取引介入」という指摘もあるが、その賛否を尋ねたところ、「大いに賛成」が14.3%、「どちらかというと賛成」が60.0%で、「賛成」は計74.4%だった。一方、「大いに反対」が3.3%、「どちらかというと反対」が22.2%で、「反対」は計25.6%だった。

規模別では、「賛成」は大企業が66.2%、中小企業は75.0%で、中小企業のほうが8.8ポイント高かった。

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