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新日鉄住金、原油タンカー用高耐食性鋼板が船級承認を取得

2014年11月7日 (金)

荷主新日鉄住金は6日、同社の開発した原油タンカー用高耐食性鋼板「NSGP-2」が、IMO(国際海事機関)が定める原油タンカーの貨物タンク甲板(天井部)の耐食性能基準を満たす鋼材として、日本海事協会から9月に、ロイド船級協会から10月に世界で初めて承認されたと発表した。

原油タンカー貨物タンクの防食措置に関するSOLAS条約が2010年に改正され、13年以降に建造契約するタンカーに腐食対策が義務付けられた。この腐食対策として耐食鋼を使用する際には、船級協会などの公的機関からIMOルールと、この機関のルールを満足するものとして承認を得ることが必要となった。

今回、同社のNSGP-2が船級協会から承認を受けたことで、防食が義務付けられる原油タンカー貨物タンクに適用する際に、正式に塗装なしで使用できることとなった。

NSGP-2は、油漏れなどの重大事故につながるおそれのある原油タンカーの貨物タンクの天井部の腐食を防ぐため、少量の合金を最適に組み合わせることで耐食性を保ちながら、溶接・加工など従来鋼とほぼ同じ使用性能を持つ。

実際の船舶に適用し、長期間にわたって防食効果を検証した結果、25年使用した際に、鋼板の板厚減少量が従来鋼と比べて5-6割程度に減らせることを確認した。

同社は、原油タンカー貨物タンク底部用鋼板NSGP-1の承認を日本海事協会から2011年に取得済み。NSGP-2と合わせて使用することで、貨物タンク底部から天井部まで塗装を不要とすることが可能となり、建造時や竣工後の定期的な維持管理で塗装・点検用足場などの周辺準備などを含め、塗料費削減や工期短縮につながる。

新日鉄住金、原油タンカー用高耐食性鋼板が船級承認を取得

▲耐食鋼の適用部位(出所:新日鉄住金)

新日鉄住金、原油タンカー用高耐食性鋼板が船級承認を取得

▲実船試験(天井部)における25年推定平均板厚減少量の比較(出所:新日鉄住金)

新日鉄住金、原油タンカー用高耐食性鋼板が船級承認を取得

▲VLCCの断面図 NSGP適用箇所(出所:新日鉄住金)