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日本郵船、サイバー危機対応大型原油タンカー完成

2021年11月9日 (火)

ロジスティクス日本郵船は8日、大型原油タンカー「TATESHINA」(たてしな)が中国の南通中遠海運川崎船舶工程で完成したと発表した。

TATESHINAは、船首部分の形状を改良することにより、航走する際に発生する船首波による造波抵抗を大幅に減少させて推進性能を高めた。

船体に塗布する低摩擦型塗料や高効率の大直径プロペラを採用。船尾部の水流を整えエネルギーロスを軽減するラダーフィンを装備するなどの省エネ対策を施したことで、輸送単位あたりのCO2排出量を従来型の大型原油タンカーに比べて23%改善した。

日本海事協会はTATESHINAに対して、世界初となる「Cyber Resilience-Guideline(サイバー・レジリエンス・ガイドライン、CybR-G)ノーテーション」を付与した。CybR-Gノーテーションは、同協会が策定した「船舶におけるサイバーセキュリティデザインガイドライン」に従った対策が講じられ、サイバーセキュリティを考慮した適切な船舶オペレーションが実現可能な設計であることを認めるものだ。

日本郵船は今回の大型原油タンカーの建造を契機として、船舶へのサイバー攻撃を始めとした脅威への対策を施すことで、顧客の需要に対応した原油輸送の安定供給に貢献していく。

■TATESHINAの概要
全長:339.5メートル
全幅:60.00メートル
深さ:28.90メートル
総トン数:16万2218トン
載貨重量トン数:31万1979トン
船籍:リベリア