ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

週5便、欧州「ブルーバナナ地帯」の中小企業向けサービス強化

TNT、伊ヴェネチアとリエージュ・ハブ結ぶ航空輸送開始

2014年12月12日 (金)

ロジスティクスTNTエクスプレスは12日、イタリア・ヴェネチアと同社のベルギー・リエージュにあるエア・ハブとを結ぶ航空貨物輸送サービスを開始した、と発表した。

週5便のB737-400貨物専用機を使用するこのサービスでは、同社の国際エア・ネットワークにヴェネチアが追加するもので、「イタリア北東部と取り引きを行うい、翌日配送サービスと柔軟性に優れた遅い時間帯の集荷サービスを必要とする輸出入業者」の利便性が高まる。

ヴェネチアを州都とするヴェネト州は、多くの中小企業からなる輸出中心企業のネットワークが形成されており、同社が新たにヴェネチアをエア・ネットワークに追加したことで、欧州の「ブルーバナナ地帯」を対象としたTNTの中小企業向けサービスが強化されることとなる。

リエージュを朝に出発する航空貨物便は朝6時(中央ヨーロッパ標準時)にヴェネチア・テッセラ空港(別称・マルコ・ポーロ国際空港)に到着し、スロベニアの首都リュブリャナを経由してリエージュに帰航する。

また、ギリシャ・アテネからリエージュに週5便運航する航空貨物便は、北に向かう途中でヴェネチアに寄航する。その後、遅い時間帯の集荷と翌日配送サービスを必要とする顧客向けに、23時にヴェネチアを出発。その際のエア・ゲートウェイは、エアとロード配送を円滑に接続するために、ヴェネチア近郊の既存のTNTマルコン・デポ内に設置される。

同エア・ゲートウェイはTAPA認証を取得しており、2000キロの積載荷重の航空貨物運送用コンテナかULDを最大で10個まで取り扱うことができる。

13年に開設されたTNTマルコン・デポは、先進の自動検査、仕分け機器を使用しており、同エア・ゲートウェイとデポでは15年2月から、新たに完全自動仕分機器を導入、輸出貨物の仕分け時間を2時間に短縮させる。今後、イタリアのTNT全デポに導入する計画。

TNTのヴェネチア事業は84年に開始。3776平方メートルの敷地に建つマルコン・デポでは、90人の従業員が働き、26台の配送車とラグーンやヴェネチアの歴史地区に荷物を配送するための6台の発動機付き荷船「モトトピ」を運行、国内配送を行っている。

同社は新しくエア・ゲートウェイを開設する意義について「ロジスティック的に困難な地域における一貫輸送ハブのモデルとなる」と説明している。