M&A三井倉庫ホールディングスとソニーは22日、ソニーの日本、タイとマレーシア子会社が運営するロジスティクス事業に三井倉庫が出資し、合弁事業を開始することに合意、最終契約を締結した。三井倉庫はソニーの物流子会社、ソニーサプライチェーンソリューションの株式66%を180億円で取得する。
ソニーサプライチェーンソリューションはソニー向けの物流サービスを継続しながら、第三者向けの物流業務を開拓していく。一連の取引は2015年4月に実行する。
この取り組みにより、ソニーはエレクトロニクス事業向け物流サービスの品質維持・向上、コスト競争力の強化を目指し、三井倉庫は新たなプラットフォーム型サービスを提供することで企業価値の向上につなげる。
今回の取り組みでは、ソニーグループのタイ、マレーシア子会社が運営するロジスティクス事業を、国内のロジスティクスと国際間の部材調達・供給(IPO)事業、修理部品の物流企画(CSO)事業を手掛けているソニーサプライチェーンソリューションの傘下に集約するため、ソニーサプライチェーンソリューション・タイランドの全株式をソニーサプライチェーンソリューションが取得。実質的に三井倉庫がタイ、マレーシアのソニーグループの物流事業を取得する形となる。
マレーシアでロジスティクス・IPO事業を手掛けるソニーサプライチェーンソリューション・マレーシアがロジスティクス事業を切り離し、ソニーサプライチェーンソリューションがマレーシアに新設する会社に移管する。
また、ソニーサプライチェーンソリューションのIPO・CSO事業をソニーグループ内の別組織に分離した後、ロジスティクス事業専業になったソニーサプライチェーンソリューションの全株式の66%をソニーから三井倉庫に譲渡。この結果、ソニーサプライチェーンソリューションは三井倉庫とソニーによるロジスティクス事業の合弁事業となる。
三井倉庫は、ソニーサプライチェーンソリューションの株式66%取得に伴う対価として、180億円を支払う。
ソニーグループは、エレクトロニクス事業でグローバルな物流サービスと海外経験に精通した人材をグループ内に保有しており、物流オペレーションの競争力を強化のため、戦略的パートナーとの提携を検討。三井倉庫グループの物流ノウハウ、営業ネットワークを活用することで、効率化・品質維持向上、コスト競争力の強化を目指す。