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日立物流・中谷社長「物流企業に二極化の兆し」

2015年1月4日 (日)

ロジスティクス日立物流は中谷康夫社長の年頭所感を発表した。海外事業の拡大で通期売上高が当初計画の6550億円を上回る見通しを示した一方、国内物流事業でコスト増や「想定以上の反動減」、トラック・労働コストの上昇が影響し、利益予想を下方修正した経緯を振り返った。

また、物流企業の経営に「課題を乗り越え、拡大基調にある企業」と「環境変化に対応できず飲み込まれてしまった企業」の二極化の兆しがあると指摘。「スマートロジスティクス」を掲げて3年が経過した自社の今後について、「省人・省力・省コスト」の効率的な経営・事業運営と、事業・収益基盤のグループ会社へのシフトを進めて地域競争力を高める経営目標を示した。

中谷康夫社長の年頭所感(要旨)

西暦の上では新年を迎えたわけだが、当社グループ会計年度では、2014年度最終四半期を迎えることになる。

昨年度末の消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減や、昨年夏場の天候不順など、国内事業は厳しい環境下にあったが、国内外での大型新規案件の立上げやM&Aの効果も含めた海外事業の大幅な拡大もあり、売上高は当初計画の6550億円を上回る見通しだ。

一方、利益だが、海外での事業では、前年比3倍(第2四半期累計比)の規模まで拡大してきており、さらにもう一段の頑張りを期待している。但し、国内物流事業では新規大型案件立上げ時のコスト増加や、想定以上の反動減による影響、そして昨今の燃油高・人手不足に起因するトラック・労働コスト上昇などにより、当初の通期計画を下回る見通しとなった。結果として、当社グループの利益計画を第2四半期決算時に下方修正している。

現在、物流業界で、企業の経営状況に二極化の兆しが出てきている。国内での燃油高・人手不足といった問題は、業界共通の課題ではあるが、「それらを乗り越え、拡大基調にある企業」ともう一つは環境変化に対応できず「飲み込まれてしまった企業」だ。

他社とは明らかに違う特徴・強みを持つサービス、国・地域、マネジメント手法など、包含して言えば、競争優位性のある強いビジネスモデルを持つ企業が乗り越えてきたと言っても良いだろう。

当社グループのビジネスモデルだスマートロジスティクスの標榜から三年が経過したが、スマートロジスティクスを具現化し、競争力のあるビジネスモデルを確立することで、当社グループは国内外の市場に挑む。

Technology(Information Technology・Logistics Technology)とTransformation。この二つのTを2014年度、2015年度に完結する必要がある。Technologyでは、現在推進している「スマートウェアハウス」「スマート物流コックピット」「スマートロジスティクスコンフィギュレータ」の実装により省人・省力・省コストといった高効率な経営・事業運営を実現させる。またTransformationでは、事業・収益基盤のグループ会社へのシフトにより、地域密着型営業・事業の展開を図り、地域での競争力を高めていく。