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世界のフォークリフト市場、2032年に2倍規模に

2025年8月19日 (火)

調査・データ米市場調査会社のパノラマデータインサイトは19日、世界のフォークリフト市場は2032年に1142億米ドル規模に達し、23年の596億米ドル規模から1.9倍にまで拡大するとのレポートを公表した。この間の年平均成長率(CAGR)を7.5%と見込んでいる。

レポートによると、世界的な脱炭素化の潮流を受け、電動フォークリフトの需要が高まっており、従来のディーゼルエンジン型からリチウムイオン電池を搭載したモデルへの転換が進むことで、騒音や排ガスなどの環境負荷の軽減が可能となった。今後、電動モデルのシェアはさらに高まり、業界の標準機になると見込まれている。

日本では、少子高齢化による労働力不足が深刻化しており、フォークリフトの自動運転化や電動化が急務となっている。特に首都圏や関西圏の大手物流センターでは、無人フォークリフトなどの導入が加速し、製造業や食品流通業、医薬品業界など多様な分野で、省スペースで機敏に動くコンパクト設計のリフトへの関心が高まっている。日本企業では、倉庫設計自体をフォークリフトと連動したモジュール構造に再設計する動きも活発化している。

また、最新のフォークリフトは、単なる運搬機械ではなく、IoTセンサーやAI(人工知能)制御と連動し、リアルタイムで作業状況をモニタリング・最適化できる「スマート機器」として進化している。日本の大手物流企業では、フォークリフトに取り付けたセンサーが作業中の衝突リスクを自動で回避するシステムを導入し、クラウド上のダッシュボードで全車両の運行データを把握し、メンテナンス周期や燃費の最適化も可能にした。

こうした高度化したフォークリフトの運用には、新たなスキルを持つ人材の確保や育成が欠かせない。日本では、国の支援のもと、AI支援型フォークリフトの操作技能講習や、オンライン研修プログラムの整備が進められている。メーカー各社も、シミュレーターを活用した実践的なトレーニングを提供し、安全性と効率性の底上げに貢献している。将来的には、「フォークリフト操作士」など新たな国家資格や国際的な認証制度の創設も期待されている。

日本のフォークリフトメーカーは、高い品質と耐久性によって、世界市場で高い評価を受けている。特にトヨタL&Fやニチユ三菱、コマツなど大手企業は、アジア市場を中心に存在感を強めており、現地のニーズに即した製品ラインナップと迅速なアフターサポート体制を展開している。欧州でも厳格な排ガス基準に対応した電動モデルの輸出が拡大している。

同社は「日本製フォークリフトは、スマート物流の中核を担うインフラとして、グローバルサプライチェーンの強靭化に貢献していくだろう」としている。

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