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著しい乗務時間基準違反に運輸局「これほどとは…」

ほくうん(北海道)に事業停止命令、元請責任も認定

2015年1月28日 (水)

行政・団体北海道運輸局は28日、札幌市東区の運送会社「ほくうん」が運転者の乗務・勤務時間基準を著しく超過していたとして、昨年1月の行政処分基準の強化以降、乗務時間基準違反を理由とする行政処分で初めて、同社の本社営業所に対して30日間の事業停止を命じた。さらに、元請運送事業者の関与も認め、荷主勧告制度に規定する警告書を発した。基準強化以後、同制度に基づいて警告書を出したのは全国で初めて。

同運輸局は、北海道労働局から労働基準法違反があったとの通報を受け、昨年8月26日から3回にわたってほくうんの本社営業所に一般監査を実施。運転者の勤務時間について、国土交通省では厚生労働省の改善告示と同じ内容を基準として告示しているが、同社所属の運転者のうち3人以上が月間31件以上もの著しい違反をとなっていたことが判明し、ほかの運転者も過半数が乗務時間基準に違反していた。

監査には、特に悪質であったり社会的な影響の大きな端緒の場合に実施する特別監査と、それ以外の一般監査があり、今回は一般監査として臨店を行った。北海道運輸局によると、「当初はこれほど(ひどい状況)だとは思わなかったが、フタを開けてみると大変な違反状態だった」という。このため、運輸支局ではなく同運輸局が直接監査に臨み、乗務時間基準違反など12項目にわたる違反を確認、本社営業所の事業停止30日間と車両の使用停止延べ30日間の処分に至った。

また、元請け運送会社についても「一定の関与があった」と初認定したが、関与の程度を勘案して社名公表を伴う「勧告」処分ではなく、警告書を発した。ほくうんは苫小牧営業所でも昨年9月9日付けで乗務時間基準の順守違反など2件の違反が認定され、延べ30日間の車両停止処分を受けており、今回の処分と合わせて累積違反点数は36点となった。