調査・データ不動産サービス大手のジョーンズ・ラング・ラサール(JLL、米国)が公表した「2026 Global Data Center Outlook」によると、世界のデータセンター(DC)容量は2030年までに大幅に拡大し、特にハイパースケール型とコロケーション型の施設が市場成長を主導する見通しだ。AI(人工知能)処理の急増やクラウド利用の拡大を背景に、DC開発は電力確保のスピードを軸とした大型投資競争の様相を強めている。
JLLの試算では、ハイパースケール型の自社保有DCは30年までに70ギガワットに達し、現在の約2倍規模に拡大する見込みだ。年平均成長率は19%とされる。これに対し、コロケーションやBTSを含む賃貸型データセンターは105ギガワット規模に達し、年平均20%で拡大すると予測されている。クラウドサービスの普及やAIワークロードの増大により、企業が自社でサーバー設備を保有する従来型のオンプレミス環境から外部施設へ移行する流れが加速しているためだ。
26年から30年にかけては、コロケーションなど賃貸型データセンターで63ギガワットの追加供給が見込まれる。開発の成否を左右する最大の要素は電力確保のスピードとされ、デベロッパーは数百メガワット規模の段階的な大型開発へと舵を切っている。従来のマルチテナント型施設よりも、単一テナントが建物全体を利用する「一棟貸し」型を優先する傾向も強まっている。
市場の主導権を握るのは、巨大クラウド企業などのハイパースケーラーだ。これら企業は賃貸型施設の利用と自社開発を組み合わせた複合戦略を続ける見込みで、24年から26年にかけてDC関連に最大1兆ドルを投じる可能性があるとされる。この投資により、26年から30年の間に新たに41ギガワット分の自社保有型データセンターが建設される見通しだ。
一方、企業が自社内でサーバーを運用するオンプレミス型の容量は緩やかに縮小する傾向にある。クラウドやコロケーションへの移行が進み、企業が分散していたDCを統合する動きが世界的に広がっているためだ。特にアジア太平洋地域ではこの動きが顕著とされる。
ただし、オンプレミス環境が完全に消えるわけではない。AI処理の拡大に伴いDCの運用は複雑化しており、多くの企業は自社設備と外部クラウドを組み合わせたハイブリッド型のIT基盤を採用している。機密性の高いデータや戦略的に重要な処理については自社拠点に残すケースも多く、金融など特定の業界では今後もオンプレミス運用が一定程度維持されるとみられる。
AIやクラウドの普及によるデータ処理需要の増大は、データセンター開発だけでなく電力インフラや土地確保、設備物流など関連分野にも影響を及ぼす。JLLは、今後の市場競争は単なる施設建設だけでなく、電力調達やインフラ整備を含めた総合的な開発能力が鍵になると指摘している。
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