調査・データ内閣府経済社会総合研究所がまとめた2025年度の「企業行動に関するアンケート調査」によると、上場企業全体では先行きの実質経済成長率見通しがやや慎重化する一方、設備投資意欲は底堅さを維持した。物流分野では陸運・倉庫業に関する見通しが、需要、投資、雇用でばらつきを示しており、業界の慎重姿勢と構造対応の継続が浮かび上がった。
全産業ベースで見ると、26年度の実質経済成長率見通しは0.9%で、前年度調査の1.2%から低下した。今後3年間、5年間の見通しはいずれも1.0%で、企業の景況感はやや弱含んでいる。一方、26年度の業界需要の実質成長率見通しは全産業で1.5%、非製造業で1.6%となった。
このうち物流関連に近い業種を見ると、「倉庫・運輸関連業」の次年度需要見通しは0.7%、「陸運業」は0.6%にとどまった。いずれも非製造業平均の1.6%を下回り、情報・通信業や建設業などと比べても低い水準だ。物流需要そのものは拡大基調を維持するとみられているものの、上場企業の認識としては高成長局面を想定していないことがうかがえる。
一方で、設備投資には一定の前向きさが残る。今後3年間に設備投資を増やすと見込む企業の割合は、全産業で76.3%、非製造業で77.0%だった。物流分野では「倉庫・運輸関連業」が75.0%、「陸運業」も71.5%となった。全産業平均にはやや届かないものの、7割超の企業が投資拡大を見込んでおり、需要見通しが低めでも、現場の省人化、拠点整備、車両更新、IT投資などを通じて競争力を維持しようとする姿勢が続いているとみられる。
雇用見通しは投資に比べて慎重さが目立つ。今後3年間に雇用を増やすと見込む企業の割合は、全産業で72.8%、非製造業で77.8%だったが、「倉庫・運輸関連業」は45.5%、「陸運業」は28.6%にとどまった。いずれも全産業平均を大きく下回り、特に陸運業は回答対象業種の中でも低位にある。人手不足が深刻な業界でありながら、単純な人数増ではなく、採用難や労働条件の制約を前提に、省力化や生産性向上で対応しようとする企業の意向が透ける。
今回の調査は東証プライム、スタンダード、名証プレミア、メインの上場企業3223社を対象に実施し、1468社が回答した。物流分野に限れば、需要の伸びに対する期待は限定的で、雇用拡大にも慎重だが、設備投資には引き続き前向きという構図が読み取れる。24年問題後の対応やコスト上昇、人材確保難を背景に、物流企業は成長よりも体質強化に軸足を置いているようだ。
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