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運輸安全委、JR貨物函館線脱線事故の報告書を公表

2015年1月30日 (金)
(出所:運輸安全委員会)

(出所:運輸安全委員会)

調査・データ運輸安全委員会は29日、函館線大沼駅構内で2013年9月19日に発生した日本貨物鉄道(JR貨物)の脱線事故の調査報告書を公表した。

この事故は、帯広貨物駅発・熊谷貨物ターミナル駅行き18両編成の臨時高速貨物列車が13年9月19日に大沼駅構内で脱線したもので、列車には運転士1人が乗務していたが、負傷はなかった。

列車は東室蘭操車場を定刻の14時4分に出発した後、大沼駅の2番線(上り副本線)に2分遅れて17時15分に到着。その後、列車の運転士は、列車を定刻の18時4分に出発させて時速20キロで力行運転中、後ろから引っ張られるような感覚とともに、運転台の圧力計によりブレーキ管圧力の低下とブレーキシリンダ圧力の上昇を確認。

すぐにマスコンをオフにしたところ、直後に列車が停止し、運転士が列車から降りて確認すると、6両目の後台車全2軸、7両目の前台車全2軸、8両目の全4軸、9両目の前台車全2軸が脱線していた。

報告書では、まず6両目後台車の左車輪が軌間内に脱線した事故原因について「事故現場付近で、通り変位、軌間変位が整備基準値を大幅に超過した状態だったにもかかわらず、軌道が整備されていなかった」と指摘した上で、「整備基準値を大幅に超過した通り変位の影響で、列車の走行時に著大な横圧が作用して軌間拡大が進みやすい状態であったところに、列車が走行時に発生した著大な横圧により、レールの横移動と小返りが発生した」と推定。

通り変位などが整備基準値を大幅に超過していたにもかかわらず、軌道が整備されていなかったことについては、「直近の軌道変位検査の結果を受けた必要な整備計画が立てられていなかったことによるもの」とし、「軌道の保守に従事する者としての基本的な認識が欠如していた」との見方を示した。

調査報告書
http://www.mlit.go.jp/jtsb/railway/rep-acci/RA2015-1-4.pdf