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運輸安全委、09年のJR貨物脱線事故で報告書

2011年2月25日 (金)

行政・団体運輸安全委員会は25日、2009年9月に東海道線吹田信号場構内で発生した日本貨物鉄道(JR貨物)の列車脱線事故について、事故調査報告書をまとめ、公表した。

 

09年9月9日、JR貨物の鹿児島線福岡貨物ターミナル駅発東北線宇都宮貨物ターミナル駅行き高速貨B第1076列車が、機関車1両とコンテナ貨車24両編成で東加古川駅を定刻(11時01分)に出発したところ、同列車の運転士は、吹田信号場構内を時速約18キロメートルで力行運転中、着発5番線の出発信号機の停止現示を受け、ATSの警報音がしたためATSの確認扱い操作を行ったが、非常ブレーキが作動して同列車は停止した。停止後、9両目の貨車の前台車全2軸が左側に脱線しているのが発見されたもの。列車の運転士にけがはなかった。

 

報告書によると、事故は「24両のコンテナ貨車を牽引した本件列車が、本件分岐器の分岐線側に進行中に非常ブレーキが作動したことにより、まだブレーキが作動していない後部貨車側からの大きな力を受けて、空車であった貨車の前台車が持ち上げられたため、クロッシング部を乗り越え基準線側に脱線したものと考えられる」と原因を分析。

 

非常ブレーキが作動したのは、運転士が非常ブレーキの作動を防ぐための確認扱い操作を行ったにもかかわらず、運転士がブレーキ1ノッチに入れた状態と確認ボタンが押されている状態の重なっている時間がごく短時間であったことから、「非常ブレーキの作動を停止させる回路のリレーの励磁時間もごく短くなったため、非常ブレーキの作動を止める回路が構成できなかったことによるものと考えられる」と指摘した。

 

■報告書全文(PDFファイル)
http://www.mlit.go.jp/jtsb/RA11-2-1.pdf