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物流連、女性活用と荷役補助機器の活用現場を視察

2015年2月3日 (火)
物流連、女性活用と荷役補助機器の活用現場を視察

(出所:日本物流団体連合会)

イベント日本物流団体連合会労働力問題小委員会のメンバーはこのほど、しまむらの秦野商品センター(神奈川県秦野市)とユーピアールの東京本社(東京都千代田区)を訪れ、女性の活用とパワーアシストスーツの活用現場を視察した。15人が参加した。

しまむら秦野商品センターでは、委員会で課題として取り上げてきた「女性の活用」の実践事例を中心に見学した。

敷地面積3万1000平方メートル、建物面積2万6000平方メートル、一日の取扱個数は10万ケースの同センターは、基幹センター間の幹線輸送、南関東を中心とする店舗向け配送に対応し、同社最大規模の通過型倉庫(TC)に位置付けられている。

マテハン機器で高度な省人化を実現、海外で値札付けなどの流通加工を行い、施設ではトラックとの結節点を除いて人手を要しない体制を構築している。

職員構成は所長を含む正社員3人と時間給社員が最大時80人となっており、全体の8割が主婦などの女性で30-40代が中心。時間給社員は、セクションごとにリーダー業務を行う「M社員」と、それ以外のアルバイト社員で構成され、「意欲はあるがフルタイムは難しい」という主婦層に対し、柔軟な雇用形態を30年前から設けている。

納品されるカートンの重さや大きに上限を設けるなど、女性が無理なく作業できる条件を整え、勤務シフトや休日計画も子どもの学校行事や親の介護など、ライフイベントを優先できるよう考慮することで、女性社員の定着率を高めている。

ユーピアル東京本社では、同社のパワーアシストスーツを体験した。同社は、物流現場で多くの従業員が腰痛に悩んでいる点に着目し、重いものを持ったり体を屈めたりする作業を行う際に、腰にかかる負担を軽減するアシストーツを開発、昨年9月からレンタル方式で提供を開始した。

機器のラインアップは2種類で、ホースをつないで圧縮空気を動力とするタイプ、バッテリー電源を動力とするタイプがあり、今回は補助力が大きい圧縮空気を動力とするタイプを体験した。参加者は、用意された20キロのビールケースを持ち上げ、効果を感じ取っていた。

駆動スイッチの操作に多少の馴れが必要ながら、強い補助力と作業工程に合わせて補助時間を調整できること、装着時の違和感が少ないことから、施設内の手荷役などに活用できるという声が寄せられた。

同社は機器導入のコンセプトについて、「作業する人の労働負荷の軽減を目的としており、労働生産性の向上を目指すものではない」との考え方を示した。