ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

ヘリ輸送中のドア落下事故で報告書、運輸安全委

2015年6月25日 (木)

調査・データ運輸安全委員会は25日、長野県小諸市で昨年10月に吊り下げ輸送中のヘリコプターからトイレ用建物のドアが落下した事故の調査報告書を公表した。

報告書によると、新日本ヘリコプター所属のヘリコプター「AS332L1型JA6741」が2014年10月9日、高峰高原場外離着陸場から浅間山火山館にトイレ用建物をつり下げて輸送していた際、トイレ用建物の両開きドアのうち向かって左側1枚が破断し、落下した。

同機は離着陸場外から火山館へトイレ設置工事用の物資輸送を繰り返し行っていたが、当日4回目の物資輸送で火山館でトイレ用建物を荷下ろしした際、作業補助者がトイレ用建物のドア1枚がなくなっていることに気付いた。飛行中、機長、搭乗員は、ドアが落下したことに気付いていなかったという。

物資輸送後に機外下方カメラの録画映像を確認した結果、同場外と火山館の中間地点付近でドア1枚が落下したことを確認した。

運輸安全委は報告書で、事故原因について「ドアに加わる圧力が設計強度(耐風圧性)を超えたことにより錠受け部が変形してドアが開いた」と推定。

ドアが開いた状態で、トイレ用建物の回転によりドアが飛行方向の後方から側面に移動したため、ドアが勢いよく開きトイレ用建物の壁に衝突して取付け部周辺が破断し、ドアが落下したとみている。

また、物資輸送の準備(荷造り)段階でも、輸送物資にロープによる固定かネットによる保護が行われていれば、ドアの落下を防止できたと推定した。