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清水建設、コスト半分のコンクリート点検システム開発

2015年7月14日 (火)

サービス・商品清水建設、コスト半分のコンクリート点検システム開発清水建設は13日、菱友システムズと共同で、タブレットの撮影機能を使用してコンクリートのひび割れや剥落などの変状を点検できる「画像モニタリングシステム」を開発したと発表した。

撮影された画像データはインターネット経由でデータベースサーバーに送信され、専門技術者が現場に行かなくてもサーバーにアクセスして画像チェックすることで、変状の進行をモニタリングできる仕組み。

過去に整備された膨大なインフラの維持管理のためには、ひび割れや剥落などの変状を効率的に把握する必要があるが、変状を把握するには専門技術者による目視・打音調査、構造物に埋め込んだセンサによるひずみ測定が中心で、専門技術者が不足していることや、基準値設定に高度な専門知識を要することが課題となっていた。

画像モニタリングシステムは、タブレットとモニタリング用に開発したアプリ、データベースサーバー、調査対象の変状か所を識別するためのカメレオンコードから構成され、インターネット接続環境下ならどこでも使用できる。

調査時に変状を見つけた際に、カメレオンコードを変状か所の近傍に貼り付け、タブレットで変状とカメレオンコードの双方が画像に入るように撮影することで使用できる。

撮影画像をサーバーにアップロードすると、カメレオンコード別に画像データが蓄積され、変状部分に近づけない場合や解像度の高い画像が必要な場合、通信機能付きズームカメラなどで画像撮影してタブレットを介してサーバーに送信できる。

撮影者は変状か所に貼り付けられたカメレオンコードをもとに撮影か所を特定するとともに、新たに撮影した画像と前回の撮影画像をタブレット上でプレビュー比較し、同様のアングルであることが確認できたら、最新の変状撮影画像をサーバーにアップロードする。新たに発見した変状か所は、カメレオンコードを貼り付けて画像撮影し、サーバーに送信する。

このシステムにより、清水建設では点検が容易になるとともに、点検・モニタリング業務コストを半分程度に削減できるとしている。

両社は今後、システムの実証実験を重ねて年度内にも実用化し、技術者不足に悩む自治体や民間の管理会社への外販、インフラを日常的に使う近隣住民や宅配業者、警備会社への点検業務の委託・連携によるビジネスモデルの構築を目指す。