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清水建設、ダムコンクリートの製造・運搬・打設自動化

2019年1月8日 (火)

荷主清水建設は7日、軌索式ケーブルクレーンを利用するダムコンクリートの打設工事で、コンクリートの製造から運搬・打設までの一連の作業を完全自動化する「ダムコンクリート自動打設システム」を開発した、と発表した。

施工管理者が事前に作成した打設計画を入力するだけで、所定の打設作業を自動的かつ連続的に実施できるのが特徴で、同社JVが岩手県盛岡市で進める「簗川ダム」建設(堤体工)工事に実装、冬期の休止期間を経て3月下旬から再開される堤体コンクリート打設に本格適用する。

ダム堤体のコンクリート打設工事はコンクリートの製造・運搬・打設の繰り返し作業であり、総工費の6割を占め、繰り返し作業を自動化することで大幅な生産性の向上につながることから、一連の作業の自動化に取り組み、自動打設システムを開発したという。

システムには、自動打設の進捗を一目で確認できる総合管理画面を導入。管理画面には、バッチャープラント、軌索式ケーブルクレーンなどの設備から出力される動作信号を基に、リアルタイムの打設状況がビジュアル表示される。画面はタブレット端末からも閲覧できるようにした。

開発に際し、軌索式ケーブルクレーンで運搬するコンクリートバケットの位置座標の三次元制御が課題になったが、この課題に対しては軌索式ケーブルクレーンの操作制御情報と運搬するバケットの三次元位置情報を連動させる仕組みを構築することで解決し、全自動化に成功した。

今後は軌索式ケーブルクレーンを利用するコンクリートダム現場にシステムを展開し、想定される熟練技能労働者の減少に対応できる生産体制を構築していく考え。