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日立化成工業、車載用負極材の生産能力倍増

2011年7月26日 (火)

荷主日立化成工業は26日、山崎事業所(茨城県ひたちなか市)で、環境対応自動車であるハイブリッド自動車(HEV)、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)の市場拡大に伴うリチウムイオン電池用カーボン負極材の需要増に対応するため、約35億円の投資を行い、第三、第四ラインを増設すると発表した。2012年9月の稼動開始を目指す。

 

同社では、携帯電話、スマートフォン、ノートPC、タブレットPCなどに用いられる民生向けリチウムイオン電池用カーボン負極材の研究開発で培った粒子形状や表面構造の制御技術などをもとに、EV、PHEV向けに、航続距離を重視し、高容量密度で充放電効率に優れる黒鉛系負極材、HEV向けに入力特性に優れる非晶質炭素負極材を開発した。

 

同社の車載用負極材は、日産自動車が2010年12月に発売したEV「日産リーフ」に搭載されているリチウムイオン電池に採用されているほか、国内外の顧客が採用している。

 

同社は現在、車載用負極材の生産を昨年4月に稼動を開始した第一ライン、ことし1月に稼動を開始した第二ラインで行っているが、今月時点で稼働率が高まっており、今後の市場の伸びに伴う、既存の顧客からの需要増、新たな顧客の要求に対応するため、当初の計画通り約35億円を投じ、生産能力を倍増することとした。

 

増設する2ラインは、ユーティリティーの緊急時対策を強化し、設備の耐震性向上を図ったもので、生産能力を倍増するだけでなく、大震災が発生した場合の復旧期間も短縮できる。同社は、今後も車載用負極材の需要の伸びに合わせ、数年内に複数回の能力増強を行う計画で、積極的な設備投資を継続することで「負極材事業での世界トップシェアの維持を図る」としている。