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三洋堂書店、業態転換へ物流システム投資、1.8億円調達

2011年8月18日 (木)

産業・一般三洋堂書店は18日、運営する書店チェーンの業態転換を進めるために必要な物流システム費用などに充てる資金調達を行う目的で、豊田信用金庫を割当先とする第三者割当による新株式を発行すると発表した。これにより、同社は1億7980万円を調達し、店舗改装に9000万円、システム投資に8830万円を投資する。

 

同社は、郊外ロードサイドでの単独出店、スーパーマーケットが開発したショッピングセンター敷地内に別棟の書店をチェーン店の形態で、東海地方を中心に87店舗を直営展開している。

 

しかし、雑誌・書籍市場は縮小傾向が続き、本以外の主要取扱商品であるビデオソフト、オーディオ・レコードの生産金額も減少してきていることから、2009年3月期を境に雑貨、菓子、玩具、中古本などの新商材の取扱いを始め、新たなビジネスモデルを本を中心としたブックバラエティストアと名づけ、これまでのマルチパッケージストアからの業態転換を進めている。

 

小売業である同社の資金計画は、日々の売上に対して、買掛金などの支払い請求の繰り延べによる、いわゆる回転差資金によるところが大きく、設備投資の資金も短期的な売上の状況に左右される可能性があることから、ブックバラエティストアへの業態転換をスムーズに展開するための、資金調達手段を検討してきた。

 

ブックバラエティストアへの改装計画としては、9月から2012年3月までに9店舗とほぼ毎月改装し、9月には名張店と大安寺店、10月には星川店と生桑店、2012年1月には垂井店にそれぞれ530万円を投資し、その後も同規模の改装を続ける。2012年4月から9月までもこのペースで改装を進め、合わせて18店舗の改装で9000万円を投じる。

 

また、新たなビジネスモデルによる営業戦略実現のために、物流システム、POSシステムなどへのシステム投資に8830万円を充当する。物流システムは、ブックバラエティ化の推進に伴う取引先の増加と取扱い品目の増加に対応し、同時に新たに導入を予定している在庫発注システムに対応するため、合わせて3200万円のシステム投資が必要となる。

 

また、POSシステムについては1800万円を投資して不足する機能を拡充するとともに、本の発注システムの二次開発に1000万円、ふるほんシステム改修やその他のシステム開発に2830万円の追加投資を行うことで、業務の効率化とデータ活用を向上させる考え。