日通、中国･欧州間のクロスボーダー鉄道輸送を開始

ロジスティクス日本通運は13日、中国と欧州を結ぶクロスボーダー鉄道輸送サービスを16日から開始すると発表した。

中国政府は欧州との間で海陸の幹線整備を急ピッチで進めており、欧州からの輸入量も増加していることから、内陸地に直接輸送するニーズが高まると判断。中・欧間の輸送ルートを充実させることで、相互に行き来する消費財物流の取り込みを図る。

中国側は武漢・重慶・ハルビンを起点に、欧州側は独デュイスブルグ・ハンブルグを起点に鉄道で相互輸送し、ターミナル駅から指定先まで日通グループが一環輸送する。

中国東南部で武漢と重慶、東北部でハルビンを発駅とすることにより、製造業が多く進出している中国エリアをほぼ全域カバーすることになる。自社幹線輸送サービス「零担特快」を利用することで、中国の48都市から接続でき、欧州域内も自社トラック輸送網を利用して英国、東欧を含め、欧州全域に広がる55都市をカバーする。

大量輸送からコンテナ1本に満たない小口貨物まで、発着ともに日通グループが集荷・配達・通関を行い、武漢からハンブルグまでを14日間で結ぶ。海上輸送との比較では、25日程度の短縮となる。

輸送コストは航空輸送の8分の1、海上輸送の2倍程度で、サービス開始に合わせてドア・ツー・ドアのパッケージ料金を新たに設定し、わかりやすくすることで利用を促す。欧州・中国にそれぞれ鉄道輸送専門チームを設置し、問い合わせや見積もりに個別対応できる体制を整える。

さらに、2016年初頭をメドに新サービス専用の貨物追跡サービスを中国国内、欧州域内で1日2回提供し、最新の貨物運送状況を利用者に直接配信する。