ロジスティクス日本通運は26日、中国欧州間クロスボーダー鉄道輸送サービスで27日から混載貨物の受託を開始すると発表した。少量貨物にも「第3の輸送モード」を提供することで、ドア・ツー・ドア一貫輸送サービスを拡充する。
中国側は武漢、欧州側はドイツ・デュイスブルグを起点に、コンテナ1本に満たない複数の顧客の荷物を日通がまとめて鉄道で輸送、中国・欧州の各都市まで日通グループのトラック輸送網で配送する。
同社は中国欧州間クロスボーダー鉄道輸送を「航空輸送と海上輸送の中間に位置する第3の輸送モード」として、新商品の開発に取り組んでおり、昨年11月に「コンテナ1本単位の貸切輸送サービス」の販売を開始。これに混載サービスを追加することで、「少量の貨物を早く・安く送りたい」という顧客ニーズに複数の輸送モードを組み合わせた「総合力」で対応する。
中国、欧州の現地法人がそれぞれ運送状(レールウェイビル)を発行し、発地から着地まで一貫して輸送責任を明確化する。
輸送コストは航空輸送の30-70%に圧縮(海上輸送の2.5倍程度)。リードタイムは、海上輸送の半分から5分の2程度に短縮する。運賃・料金はドア・ツー・ドアのパッケージ料金として設定した。また、専用の輸送経歴追跡サービスを通じ、顧客に日々、最新の運送状況を配信する。
欧州はデュイスブルグ・中国は武漢・重慶にそれぞれ鉄道輸送専門のチームを設置することで、問い合わせや見積もりに個別に対応する。
中国発のサービスでは、武漢CFSに貨物を集約し、デュイスブルグ経由で欧州各国へ一貫輸送する。自動車関連を中心に製造業が集積する武漢を起点とし、顧客の利便性を高めるとともに、同社の中国国内混載トラック輸送サービス「零担特快」などを利用することで、中国の各都市から武漢へ円滑に接続できるようにする。出発は週2便、武漢CFSからデュイスブルグCFSまで14-15日で輸送する。
欧州発の便は、デュイスブルグCFSに貨物を集約し、重慶を経由して中国国内向けに一貫輸送する。国際鉄道輸送のEU圏ゲートウェーとなっているデュイスブルグにドイツ日通のサービス対応窓口を設ける。自社のトラック輸送網を利用し、英国や中東欧を含む欧州全域の主要都市に向けた配送をカバーする。出発は週1便で、デュイスブルグCFSから重慶CFSまで17日で輸送する。