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環境省、除染土壌の試験輸送で課題検証

2016年1月4日 (月)

行政・団体環境省は、2015年3月から開始した中間貯蔵施設への除去土壌輸送の結果をまとめた。43市町村を対象に1回につき1000立方メートル程度の除染土壌を運ぶパイロット輸送は、12月までに31市町村で延べ5000台、3万立方メートルを運び終えた。

環境省、除染土壌の試験輸送で課題検証

(出所:環境省)

パイロット輸送の結果、12月16日までに仮置場を出発したすべての輸送車両(4800台)の周辺放射線量率はガイドライン基準の100マイクロシーベルト(1時間あたり)を大幅に下回った。測定には1台2-4分程度かかった。

輸送時の荷姿については、輸送中に荷台から大型土のう袋などが落下することはなく、除染土壌の飛散・流出も確認されなかった。だた、荷台を覆うシートが風にあおられていた輸送車両もあり、「不安を感じる」などの通報が3件あったほか、高速道路上で通勤途中の輸送車両に搭載していたブルーシートが荷台から落下する事例が1件あった。

環境省は、これらの事案を受けてシートの追加固定とブルーシートの落下防止を全受注事業者に指示。「輸送車両の荷台を遮水性シートで覆うことで、大型土のう袋の飛散を防止する方策は想定どおり機能している」として、今後もこの荷姿で輸送を行うこととした。

沿線住民への放射線の影響については、輸送車両が通る時などに数十秒間程度、平常時より高い放射線量率が観測される場合があったが「追加被ばく線量は十分に小さいことを確認した」として、特に問題視すべき影響はないことを示した。

同省では「想定していた輸送方法を概ね実施できた」と結論づけた。今後はパイロット輸送全体の検証を行ったうえで、来年度以降の輸送に向けた改善策の具体化を図る。