ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

CBRE調べ、物流施設の空室率「改善ならず」、04年竣工物件の動向注目

2010年7月29日 (木)

ロジスティクス首都圏の大型マルチテナント型物流施設の空室率シービーリチャードエリス(CBRE)が29日に発表した2010年上期の物流施設の空室状況調査「インダストリアルマーケットレポート」によると、首都圏の物流施設の平均空室率は前期から横ばいの15.3%となったものの、既存物件の空室率が3.2ポイント上昇して11.5%と悪化したことが分かった。

 

CBREのまとめによると、今期は新規供給がなかったために平均空室率の改善が期待されたが、テナントの動きは昨年後半と比較すると全般的に鈍く、改善には至らず横ばいとなった。館内増床やコスト削減を求めた周辺拠点の集約といった新規入居テナントがある一方で、事業縮小による撤退なども見られ、企業の事業環境が依然として厳しいことをうかがわせた。

 

テナントの動きとしては、食品会社などの荷主を中心にコスト削減を考えた統廃合の動きを受けて、物流会社が高スペック物件に入居する動きが散見され、物件による格差はあるものの、新築物件の空室消化は比較的順調に推移した。

 

しかし既存物件は撤退、館内縮小、新築物件への移転が影響し、空室率は前期に引き続き上昇して3.2ポイントの悪化となった。

 

今後は、新規供給が限定的であるため、高スペックの新築物件の空室消化が進むことで既存物件を含む全体的な空室率の改善が期待される。また、2004年以降に竣工した物件で定期借家契約が満了時期を迎えることから、再契約の動向が注目される。

 

マーケットの規模を示す稼働床面積指数の推移をみると、既存物件からのテナント流出が見られたものの、新築物件を中心に新規需要が創出されたことでプラスでの推移は維持しており、「今期もわずかながらマーケットは拡大傾向にある」としている。

 

■マーケットリポートは下記URLからダウンロード可能。(PDF)
http://www.cbre.co.jp/JP/Media_Centre/DocLib1/CBREIndustrialMarketFlash_100729_JP.pdf