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物流不動産マーケットが活性化、東京圏0.5P改善

2011年11月24日 (木)

ロジスティクス一五不動産情報サービスは24日、東京・大阪圏を対象とした賃貸物流施設マーケットの調査結果を公表した。東京圏の10月の空室率は5.4%となり、7月調査の5.9%から0.5ポイント改善、マーケットの活性化がうかがえる結果となった。募集賃料水準は1坪3910円となり、前回調査からの上昇値は20円(0.5%)だった。

 

大阪圏も空室率は3.6%で0.4ポイント改善、7四半期連続で空室率の低下が続いており、賃貸市況の回復基調が持続した。募集賃料水準は3200円で横ばいとなったが、賃貸マーケットの需給改善によって、賃料水準に「明るい傾向が見られる」とした。

 

東京圏、大型プロジェクトの発表相次ぐ
東京圏の8-10月の新規需要は6万平方メートルで、新規供給の2.3万平方メートルを上回ったことから需給改善へつながった。大和ハウス工業による「Dプロジェクト八潮」が8月に竣工し、流通サービスがテナントとして入居したほか、複数のマルチテナント型物流施設で稼働率の上昇が新規需要を押し上げた。

 

また、ラサールインベストメントマネージメントと三菱地所は延床面積約21万平方メートルにおよぶ「ロジポート相模原」(仮称)を共同開発すると発表。GLプロパティーズも延床面積9万平方メートル超のマルチテナント型物流施設として「GLP三郷3」の開発に着手したことを発表した。このほかにも複数の開発計画が始動している模様で、物流施設の不動産マーケットは活性化している。

 

募集賃料は坪3910円で、前期から20円の上昇。東京圏の募集賃料は目立った変化がなく、坪4000円をやや下回る水準でほぼ横ばいとなっている。需給バランスの改善をきっかけに賃料見通しに強気の意見がみられるものの、「新規開発の動きも並行してみられることから、需給バランスのひっ迫感が長期間に及ぶとは考えにくい」とした。景気の先行きがやや不透明であることから、当面は横ばいの賃料動向が続くと考えられる。

 

大阪圏、大型物件の需給改善が持続
大阪圏の空室率は3.6%となり、7月の4%から0.4ポイント改善。今期は複数のマルチテナント型物流施設で稼働率がさらに上昇したことが、需給改善へとつながった。また、今後の開発として「グッドマン堺」の計画が発表された。取得した開発用地は6万平方メートルで、13万平方メートル規模のマルチテナント型物流施設を開発する。大阪圏では築浅の大型物流施設の空室在庫が解消に向かっていることから、今後、開発計画がさらに増えることも予想される。

 

募集賃料は坪3200円で、前期から横ばいとなった。大型クラス(特に築浅)で需給改善が持続しており、賃料相場でも明るい兆しがみられることから、強気の意見も増えている。一方、中小クラスの物流倉庫ではこれまでと変わらず苦戦が続く物件も多く、軟調な賃料水準となっている。