東芝、国内半導体拠点を再編、3工場を閉鎖

拠点・施設東芝は30日、半導体事業の構造改革を実施すると発表した。ディスクリート事業、アナログ・イメージングIC事業の収益改善、事業体質強化を目的に、国内製造拠点の再編や、前工程の大口径化に取り組む。

ディスクリート事業では、現在6か所ある国内の製造拠点を、姫路半導体工場（兵庫県揖保郡太子町）、加賀東芝エレクトロニクス（石川県能美市）、豊前東芝エレクトロニクス（福岡県豊前市）の3拠点に再編・集約する。

これに伴い、光半導体の前工程拠点である北九州工場（福岡県北九州市）、浜岡東芝エレクトロニクス（静岡県御前崎市）、パワー半導体の後工程拠点の1つである東芝コンポーネンツ（千葉県茂原市）の3拠点では、2012年度上期中に生産を終息する。

集約後の3拠点は、付加価値の高い製品に集中し、コスト競争力の強化を図る。姫路半導体工場は、これまで通り開発を中心とした拠点として活用し、前工程の主要拠点である加賀東芝では、パワー半導体事業を強化するため、200ミリウェハーラインの能力増強を続けるとともに、光半導体の前工程も展開する。

また、豊前東芝は光半導体の組立技術の開発機能を集約するとともに、量産については一部製品の生産を縮小し、海外展開を加速する。

アナログ・イメージングIC事業では、これまで生産効率の向上とコスト力改善のために大口径化と小口径ラインの廃止に取り組んできたが、この取組を加速させ、12年度上期中に大分工場の150ミリウェハーラインを半減させる。

欧米を中心とした景気減速による民生機器の需要減少を受け、ディスクリート事業、システムLSI事業の収益改善を図るため、短期的な施策も実施する。

民生機器に幅広く使用されているアナログ半導体、イメージセンサーを生産する大分工場、ディスクリート半導体を生産する姫路半導体工場、光半導体を生産する北九州工場で、年末年始にかけて減産に踏み切る。

具体的には、大分工場で12月30日から1月4日までの6日間稼働停止と出力調整を、姫路半導体工場と北九州工場では2週間程度の稼働停止を実施し、年明け以降の生産は市況の回復状況を見ながら判断する。

岩手東芝エレクトロニクス、加賀東芝エレクトロニクス、浜岡東芝エレクトロニクスでも、需要動向に応じて減産する。