調査・データ東京商工リサーチ(TSR、東京都千代田区)が19日発表した2026年の「宅配飲食サービス業」業績動向調査によると、7期連続で売上比較が可能な127社の25年売上高合計は1兆1408億円となり、前年から3.9%増加した。4期連続の増収で、コロナ禍前の19年と比べると26.7%伸びた。一方、利益合計は207億円で23.0%減少し、売上拡大の一方で収益面の悪化が鮮明になった。
宅配飲食サービス業は、デリバリーや給食サービスなどを対象とした。コロナ禍で拡大した需要は一定程度定着しているものの、原材料費、人件費、配送関連コストの上昇が利益を圧迫している。売上を伸ばす企業が多い半面、価格転嫁や手数料負担、配送体制の維持が経営課題となっている。
売上高規模別では、10億円以上50億円未満が35社で最多だった。1億円以上5億円未満が31社、5億円以上10億円未満が22社と続き、10億円未満の企業が55.1%を占めた。増収企業は83社で全体の65.3%、減収企業は38社で29.9%だった。所在地別では東京都が26社で最も多く、大阪府13社、北海道8社が続いた。東京と大阪で全体の30.7%を占め、関東地区の企業が業界全体の増収をけん引した。
損益別では黒字企業が99社と全体の77.9%を占めた。前期との比較では増益が78社、減益が44社で、企業単位では収益改善もみられる。ただ、業界全体の利益額は大きく減少しており、規模や資金力によって業績の明暗が分かれ始めている。
倒産は高止まりしている。26年1-5月の宅配飲食サービス業の倒産は24件で、前年同期の27件を下回ったが、25年通年は63件と、コロナ禍以降最多だった23年の67件に次ぐ水準だった。原因別では「販売不振」が15件で最多となり、「不況型倒産」は16件で全体の66.6%を占めた。
大手デリバリーの出前館は26年3月、手数料を自社で負担し、料理価格を店頭と同額にするサービスを全国で始めた。対象店舗の注文数は平均2.9倍になったとしており、価格差の縮小が消費行動に影響することを示した。ただ、飲食店側はデリバリー代行に一定の手数料を負担しており、店頭価格との整合や採算確保は引き続き課題となる。
政府は食料品を対象とした消費税減税について、27年4月から2年間限定で税率を1%に引き下げる方向を示している。宅配飲食サービス業は軽減税率8%の対象だが、制度変更が消費者の利用動向や飲食店のデリバリー活用にどう影響するかは見通しにくい。市場は拡大を続けているものの、物価高、人手不足、配送コスト上昇が重なり、宅配飲食サービスは成長局面から収益管理を問われる段階に移っている。
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