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カドカワ、所沢の複合物流拠点投資額399億円へ引上げ

2016年12月26日 (月)
カドカワ、所沢の複合物流拠点投資額399億円へ引上げ
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拠点・施設カドカワは22日、製販一体の物流体制を目指して埼玉県所沢市で整備を計画している、図書館・美術館・博物館併設の複合型物流・製造拠点「ところざわサクラタウン」の投資額について、拠点整備に伴う回収見込額が増えたことと共用部を含めた建築コストが明らかになったとして、書籍製造・物流工場棟の投資見込額を従来の155億円から264億円へと引き上げた。これにより、サクラタウン全体の投資額は399億円に膨らんだ。

同社は現在、同県三芳町で製造・物流拠点を運営しているが、施設が老朽化していることから、将来的なサクラタウンへの機能統合を視野に入れる。

同社は所沢市と共同で「クールジャパンフォレスト構想」に向けた検討・協議の枠組みとして推進会議を設けており、サクラタウンのプロジェクトは市とカドカワが中心となって市民やアドバイザリーボードの意見を取り入れながら魅力を高める体制を取っている。

サクラタウンは製販一体型ブックオンデマンドを実現する製造・物流拠点(投資額246億円)、新製造物流設備に直結する新オフィス「所沢キャンパス」(同64億円)、インバウンド事業の受け皿となる文化コンプレックス「角川ロックミュージアム」(仮称、同89億円)の3機能で構成。

当初、文化棟は「外部の出資を中心に行う」ことを予定していたが、角川文化振興財団が文化、芸術の振興を目的とした公益施設として、図書館、美術館、博物館などが一体となった文化コンプレックスを建設、運営することとなった。

書籍製造・物流工場では、書籍を一部単位で高品質と低コストを両立しながらオンデマンド印刷できる製造・物流一体の最新デジタル設備を導入し、書籍の受注から製造・発送まで一体で行う最適生産プロセス、物流システムを構築する。書籍の小ロット製造や適時製造・適時配送を実現することで印刷費用、資材費用などの直接原価を削減し、返品率を改善することで利益率向上を図るほか、同様の設備を備える海外拠点、協力会社と連携し「デジタルと紙の多言語サイマル出版やメディアミックスの多国同時展開」を推進していく。

■ところざわサクラタウン(仮)の概要
所在地:埼玉県所沢市東所沢和田3-31-の3、11
投資対象:製造・物流施設、オフィス、商業施設、付随する製造機械設備、機器、ソフトウェアなど
建築面積:2万5000平方メートル
延床面積:8万4000平方メートル
取得価額:399億円(建物、設備、機器、ソフトウェアなどを含む)
建物着工:2018年2月
竣工:2020年4月
事業開始:2020年4月