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SITCジャパン社長、「鮮度と感度」加え対応力強化

2017年1月4日 (水)

ロジスティクスSITCジャパンの呂開献社長による年頭のあいさつの要旨は次の通り。

呂社長の年頭あいさつ(要旨)

2016年は、一昨年に「成人」になったSITCジャパンにとって、新たな一歩を踏み出す変革元年と位置付けた1年だった。次の20年に向けての組織改編を行い、「オペレーショナルエクセレント」「マーケッティングエクセレント」「マネジメントエクセレント」という3つのコアコンピタンス分野での卓越した運営を追求してきた。

その活動として、情報発信力向上の取り組み、次世代を担う若手社員の育成プログラムの構築など既存の業務機能と組織力を強化し、アジアシームレス物流フォーラムへの出展、外部参加者対象の新人貿易研修、ベトナム港湾物流視察ツアーなど新しい領域でイノベーティブな取り組みにもチャレンジできた。日系企業のニーズを満たすことを目標にアジア域内コンテナ海上輸送市場で、価値創造に努力を重ねながら会社成長の新しい局面を迎えた。

サービス面ではアジア域内展開に最適船とされる1800TEU型新鋭船は出揃い、13番船は「SITC HANSHIN」、14番船は「SITC KANTO」と日本名を命名し、優位を構築できた日本-タイ・ベトナムなどの航路に段階的に投入した。フィリピン、インドネシア地域では積極的に新規航路を開設し、日本・アジア間サービスではネットワークの増強と品質の向上を図った。

一方、日本国内では国際戦略港湾である横浜港の接続による北海道・東北フィーダーサービス「White Express Line」(WEL)を立ち上げるとともに、新規に御前崎港への寄港も開始した。堺泉北港の航路増強も年明け早々から実現する。アジア展開と地方港開拓両面の新たな施策は順調に滑り出している。

しかし、コンテナ海上輸送業界は市況低迷の深刻度を増し、驚くことが沢山あった。荷主もその体制と商流の変化が一層激しく、新しく生まれる物流、消えていく物流が交差しながら、そのトレンドは目まぐるしく変化し、なによりもその変化スピードに驚いた。

SITCの強みは、ぶれない「顧客志向」という理念。この理念を徹底し、常に迅速に変化対応することで、これまで成長し続けることができた。この理念は「顧客と向き合った最適サービスの追求」という外向思想がコアとなる。しかし、これまでは「風任せ」だったのかもしれない。荷主の船会社に対するニーズはさらに多様化し、海上輸送プラスアルファの付加価値が必須となりつつある。自ら「風を起こす」ことが求められる時代になった。

2017年、アジア域内でSITCコンテナラインズの運航する本船は80隻を超える見込みとなり、「アジア域内での多頻度・網の目航路」のインフラは強化される。このネットワーク型航路運営モデルは荷主ニーズに合わせて柔軟に形を変えることができるが、今年は「鮮度と感度」の考えを加えることで変化対応力に磨きを掛けたく思う。さらにその価値を最大化し、スピード対応が可能となるためのソフト面も進化させていく。