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再配達削減に向けた機運高まり

パナ戸建用宅配ボックスに受注殺到、新製品発売延期

2017年3月28日 (火)
▲人気が集中したパナソニックの現行宅配ボックス・ミドルタイプ

▲人気が集中したパナソニックの現行宅配ボックス・ミドルタイプ

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話題パナソニックは28日、同社が販売している戸建向け宅配ボックスの受注量が想定の5倍以上に膨らみ、供給が追いつかなくなったとして、4月3日発売予定の新型宅配ボックスの「受注開始時期」を2か月程度延期すると発表した。

発売を延期するのはパナソニックエコソリューションズ社が3月6日に発表した宅配ボックス「COMBO」(コンボ)の集合住宅用宅配ボックス(アパート用)、戸建住宅用宅配ポスト(住宅壁埋め込み専用)、戸建住宅用宅配ポストの3種類。

これらの新製品の発売延期に至った経緯について、同社は「宅配ボックス市場の急激な需要増加に伴い、既発売品の受注量が通常月の5倍以上と想定を超え、製品供給体制が追いつかないため」と説明しているが、なぜ需要が急増したのか。

再配達問題が国会で取り上げられたり、EC市場の拡大と人手不足を背景としたヤマト運輸など宅配事業者の労働環境の悪化が報道されたりするなか、同社は福井県あわら市と連携した宅配ボックスの実証実験を行った結果、再配達率が49%から8%へと「激減」したことを2月24日に発表。

これをテレビや新聞が相次いで報道し、同社にとっては追い風ともいえる状況下で3月6日に新製品シリーズを発表したが、3月に入って受注が殺到、同社の想定を大幅に上回り、既存製品への対応で新製品の発売を延期せざるを得ない事態になった。すでに戸建住宅に住んでいる消費者が新たに設置したいという需要が中心だという。

パナの戸建用宅配ボックスに受注殺到、新製品発売延期4こうした事態に至った経緯について、同社は「戸建用宅配ボックスはまだ新しいジャンルで、これまでは月間400台から500台の生産ペースだったが、宅配の再配達をめぐる報道が相次ぎ、あわら市との実証実験が注目されたこともあって、3月がまだ終わらないうちに月間受注数が2000台を超えた」と、消費者の関心が急速に高まったことが受注集中につながったと説明する。

既存商品はコンパクト、スリム、ハーフ、ミドルの4サイズを展開しているが、特に幅・奥行き・高さが270ミリ・350ミリ・290ミリのミドルタイプの人気が高いとのこと。

深刻な人手不足の実態が日々報道される宅配の分野で、多少なりとも再配達の削減に貢献したいという消費者からのメッセージと捉えるのは早計だろうか。